フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学
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『エル Elle 』 ポール・バーホーヴェン監督 / イザベル・ユペール主演

しかしバーホーヴェンは巨匠なんだろうか。

なぜか巨匠の名を聞くとわたしの頭には「中二」の二文字が必ず浮かんでくるのだが。

確かに「氷の微笑」は良かった。しかし、あれは主役を演じたシャロン・ストーンの妖気漂う美貌とその裏の冷たい知性があってこその作品で、

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生きるとは挑むこと ジャンヌ・モロー

ある老いたハリウッド・スターが晩年こう言ったそうだ。「私にはもう、宝石と思い出しか残されていない。」

フランスが誇る銀幕のスター、ジャンヌ・モローなら、ぴしゃりとやるだろう。「ノスタルジーなんて一体何のためにあるの?ノスタルジーは、物事が同じであってほしいと願うときの心持ちね。それはそれは多くの人が、同じ場所にとどまりたいと思っている。

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ロマン・ガリ、または人間らしさという謎

今年の夏休みは、相次いで刊行されたフランスの作家 Romain Gary の翻訳を読みました。ひとつはロマン・ギャリの短編集『ペルーの鳥──死出の旅へ』(須藤哲生訳、水声社)、もうひとつはロマン・ガリの長篇『夜明けの約束』(岩津航訳、共和国)です。本邦初訳の作家ではありませんが、長らく無視されてきた感のある作家の作品が新たに日本語で読めるようになったのは、とても喜ばしいことです。

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『真白の恋』~トークイベントを終えて

8月26日、神戸の元町映画館に坂本欣弘監督を迎えて『真白の恋』のトークイベントを開催した。今回はフランス映画ではなく、富山県出身枠で声がかかり、同郷トークが実現。たくさんの人に参加していただき、またサービス精神旺盛な坂本監督の撮影秘話なども聞けて、盛況な会となった。

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誰が坊やを殺したの?フランス最大のコールドケースは解き明かされるのか

1984年10月。ドイツとの国境にある小さな村レーパンニュを流れるヴォロンヌ川で、両手両足を縛られた幼児の遺体が発見された。死因は窒息死。この村に住む4才の男の子、グレゴリー・ヴィルマンちゃんの変わり果てた姿だった。

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夏休み企画 ― Été (夏) と youtube に入力してみた。

気まぐれから、youtubeでガちゃポンしてみました。出てきた数多の曲のリストからチョイスしたのはこの3曲。

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心の声に耳を傾けて シモーヌ・ヴェイユの人生

朝刊の海外ニュースの片隅にその人の訃報が小さくのっていた。シモーヌ・ヴェイユ。89才。フランスの政治家。欧州議会の議長も務めた。先頃のドイツのコール元首相の訃報と比べると、なんとも地味な扱い。日本では「無名」にちかい人なのだ。

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「奇跡」を生きた二人 ―特集上映「ドゥミとヴァルダ、幸福についての5つの物語」 ―

かつてはジャック・ドゥミと言えば『シェルブールの雨傘』、アニエス・ヴァルダと言えば『冬の旅』だった。確かにそれでも間違いではないが、彼らの映画はそれだけではない。今回の特集上映(2017年7月22日から8月18日、イメージフォーラムにて)はこの二人の映画作家の原点へと迫ろうとする企画だ。

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ドワイヨン、あるいは映画を「発見」すること―フランス映画祭25周年を祝して―

フランス映画祭が今年も6月22日から25日まで開催された。この映画祭も2017年で25回目を迎えたという。当初、この映画祭は横浜を会場として始まり、その地で10年ほど安定して続いて来た。その後、諸々の理由から2000年代に有楽町周辺に開催場所を移すなどの変遷はあったが、毎年多彩なゲストを招くことでフランス映画ファンを楽しませ続けているイベントだ。

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ロイ・フラーを目撃せよ! 異色の伝記映画『ザ・ダンサー』

伝記映画をつい見てしまうのはどうしてだろう。絵になる逸話がつまっている、取り上げられた人物がすこぶる魅力的、等あるけれど、知識のレベルで知っている栄光、栄華が追体験できるからかもしれない。

ただヒーロー、ヒロインが歌舞音曲の世界の人であると、栄光を可視化するのはなかなか難しい。スポーツ選手なら記録を達成する過程や、伝説の試合の再現でその人に対する世間の熱狂を無理なく説明することができる。

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木村拓哉、カンヌ映画祭で見せた存在感―渾身の力作『無限の住人』を徹底分析―

2017年5月18日(現地時間)、三池崇史の最新作『無限の住人』がカンヌ国際映画祭で上演され、二千人を超える観客から絶賛を浴びた。他方、日本では爆笑問題の太田光が「(キムタクは)まるで萬屋錦之介か勝新太郎のようだ」とつぶやいたのが最良の批評であり、

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オリヴィエ・アサイヤス監督『パーソナル・ショッパー』~5月12日から公開

パーソナル・ショッパーは公に認知された仕事ではない。服を買う暇がないほど忙しいセレブの代わりに服を買い付けるプライベートな仕事だ。パトロンには自分のセンスを買われたわけだが、公に評価されるわけではない。

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Hear My Voice —フランスのガール・ラッパーが発信する思い

次のフランス大統領が決まる日まであとわずかとなりました。日本でもそれなりの報道はありますが、特定の大統領候補を支持する人々の熱狂は聞けても選挙運動の外にいる普通の人々が何を思っているかまでは拾いきれていように感じます。

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仏大統領選2017:自由貿易は悪なのか?

まずは、こちらの記事をご覧ください。先日23日に行われたフランス大統領選で、マクロン氏とルペン氏が決選投票に進むことになりました。EUを離脱するか否か、移民問題をどうするかなど争点はいくつもありますが、今回は経済問題とりわけ「自由貿易」とはいったいどういうものなのかを簡単に整理してみたいと思います。

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“April in Paris” Count Basie and His Orhestra (1956)

いよいよ4月。この月にふさわしい一曲を、と選んだのがジャズの大定番。数多くのバージョンがありますが、ビッグバンド・ジャズの大御所、カウント・ベイシーのものが一番だと勝手に思っています。

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ヴィクトル・ユーゴーのガーンジー島の館が大改修の必要に迫られている

ハリウッド映画『レ・ミゼラブル』の大ヒットのおかげで、フランス北部の街モントルイユ・シュル・メール(Montreuil-sur-Mer)のホテルに宿泊客が2013年早々殺到しました。フランス人作家ヴィクトル・ユーゴー(Victor Hugo)の同タイトルの原作小説(1862年作)において、この街は、悲劇のヒロイン・ファンティーヌの故郷であり、

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フランス語を学ぶ人のためのFBNナビ2017

フランス語を学ぶ学生さんたちのためにナビゲーション記事をアップしました。フランス語に関する情報、おすすめの辞書や参考書、最後に、フランス語を始める人たちへのアドバイスになるような記事や、アンケートで学生さんたちに人気のあった記事をピックアップしました。フランスやフランス語を通して何が学べるのかを、記事を読んで参考にしてみてください。

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ムートンさんのリアルなマンガ体験

一緒に『日本人が知りたいフランス人の当たり前』を書いた沖縄在住のジスラン・ムートンさんに日本のアニメ・マンガ体験を語っていただきました。ムートンさんはフランス北部、リールの出身で、中学生のときに日本のマンガに目覚め、日本語と日本文化を極めるためにリール大学の日本学科に登録(今年の4月からはフランス名誉領事に就任!)。その経緯を詳しくお聞きしました。

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古楽器演奏の開拓者 ―指揮者アーノンクールがいた時代―

昨年3月、指揮者のニコラウス・アーノンクール(1929—2016)が亡くなったと聞いた際、古楽器やバロック音楽に関心を持つ人々は、一つの時代が終焉したという感慨を抱いたのではないか。実際、アーノンクールはまさにクラシック音楽の領域において古楽器による演奏を導入し、発展させたパイオニアであった。

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対照的な二人の演劇人が逝く―蜷川幸雄(1935-2016)と佐伯隆幸(1941—2017)―

2016年から2017年にかけて、全く対照的な二人の演劇人がこの世を去った。蜷川幸雄と佐伯隆幸である。一方は日本を代表する演出家。晩年に至るまで続いたその派手な活動ぶりと多くの若い俳優たちに与えた影響を知らぬ者はいまい。

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上映中!「モン・ロワ~愛を巡るそれぞれの理由」

スキーでスピードを出し過ぎて転倒し、負傷した女性弁護士トニー(エマニュエル・ベルコ)が、リハビリに励みながら、愛したジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)との過去について振り返る。トニーは治療の最初にカウンセリングも受け、見透かされるように、けがをしたときの心理状態について尋ねられる。ひざにまつわる言葉遊び。