フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学
最新記事

ディオール兄妹の戦争

1944年8月15日、聖母昇天祭の祝日。じりじり照りつける夏の大陽が沈みパリが闇に包まれた時、パンタン駅から貨物列車が出て行きました。積み込まれていたのは人間。レジスタンスに加担したとして逮捕され、市内の幾つもの刑務所に収容されていた2,457人もの人々が、ドイツ国内の強制収容所へ移送されていったのです。数百人の女達も含まれていました。

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映画における不平等 – 「女性の年」と言われた今年のカンヌ映画祭

最近、「流行りの映画700本における不平等」という南カリフォルニア大学(USC)の研究レポートが話題になっていた。同大学には世界的に有名な映画学科があるが、2007年から2014年までの7年間に公開されたその年のトップ100の映画、合計700本を調査した。差別に関する興味深いデータをいくつか紹介すると

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エマニュエル・トッド『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』

いま、ギリシャ債務危機がEU諸国を震撼させています。この問題について、「公務員がやたらと多い」「年金の給付水準が高すぎる」「そもそも何年かに一度破たんしている、どうしようもない国だ」と、危機の原因をギリシャ側に求める意見がみられる一方で、いまやEUの盟主といってもいいドイツに対する批判的な主張もちらほらと散見されるようになってきています。

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『「ポッキー」はなぜフランス人に愛されるのか?』

あまりにも身近にありすぎて、私たち日本人が当たり前だと思っている日本のスナック菓子の味のクオリティー。パッケージなどに凝らされている様々な工夫。これらは世界のマーケットでも十分通用するもので、すでに多くの国のスーパーで売り上げをのばしています。台湾のコンビニなどは、日本のスナック菓子で席巻されているといいます。

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今月の一曲 “Christine” Christine and the Queens (2015)

久しぶりに心底「カッコよろし」と思えるPVに出会ったのでご紹介を(昨年のベストCDにチョイスされていた有名アーティストを今頃取り上げるの?という声も少なからず聞こえてきそうですが…)。

Cnristine and the Queens はナント出身、27才のシンガー/ソングライターであるエロイーズ・ルティシエの一人バンドです。

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追悼・鶴見俊輔:いつでも訂正可能であるということ

2015年7月20日、鶴見俊輔が亡くなった。享年93歳。ここ数年、目立った発言がなく、病状が思わしくないのだろうと推察していたので、驚きはなかった。ただ、僕にとって、喪失感は大きい。それは、彼のような思想家は、もう出てこないだろうという気がするからだ。

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En Chantant 新星ルアンヌ・エメラの「歌い直し」

フランスで旋風を巻き起こしている歌手がいます。ルアンヌ・エメラ。18才、天涯孤独の身の上。笑顔がチャーミングな、健康的な Girl Next Door。テレビの勝ち抜きオーディション番組でセミファイナリストになった時に見いだされ、演技経験はゼロながら映画 ”La Famille Bélier” に出演。耳の不自由な家族の中ただ一人健常者である歌手志望の娘を熱演し、映画は大ヒット、彼女自身もセザール賞の新人賞を獲得。

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動画で憶える仏検5級のボキャブラリー

フランス語検定試験があと2週間に迫りました。本格的に準備を始めましょう。今回はフランス5級の単語対策です。歌を何度も聴いてください。耳を澄ませながら、まずは音で憶えてください。その方が記憶に定着しやすいはすです。綴りの確認はそのあとで。

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Le feu d’artifice à la Tour Eiffel ・・・ エッフェル塔での花火。

おとといは興奮冷めやらず、結局 Le Pont de l’Alma(アルマ橋)まで le feu d’artifice(花火)を見に行ってしまいました。先ほどの友人が、20時半から場所取りをしてくれていたのですが、2時間以上前だってのに、わたしたちは2列目でした。(パリではこの時期、日が落ちるのが22時半頃なのです!)

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Défilé Militaire ・・・ 軍事パレード。

日本からパリへ遊びに来ているパリ狂の友人が、le défilé militaire(軍事パレード)を見に行くために Royal Monceau(パリ・オッシュ通りの五つ星ホテル)を予約したというので、la banlieue Parisienne(パリ近郊)に住んでいながら1度も体験したことがなかったわたしは、いい機会だと思い同行することにしました。

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今月の1曲 ”La Nuit N’en Finit Plus” Petula Clark (1964)

マリオン・コティヤール主演の話題の映画『サンドラの週末』で使われているこの曲を選んでみました。トレイラーで流れたのを初めて耳にしたのですが、フランスのポップスにしてはずいぶん輪郭がハッキリしていて、ガッツがあるけどちょっと甘酸っぱくて、こんな歌を歌うアイドルがいたんだ…とびっくりしたものです。気になって調べてみたら歌っていたのはあの『恋のダウンタウン』のぺトゥラ・クラークではないですか。

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『永遠のピアノ』―奇跡の中国人ピアニストの自叙伝

バッハの『ゴルトベルク変奏曲』といえば、数々の名だたるピアニストが卓抜した演奏を披露してきたバロック音楽の傑作中の傑作として知られている。とりわけグレン・グールドの名演が知られているが、本来の楽器チェンバロで演奏したグスタフ・レオンハルトの味わい深い名演も捨てがたい。そして、パリ在住の中国人ピアニスト、シュ・シャオメイもまた、この曲の演奏史に必ず名前を残すことになるピアニストであろう。

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書評:『フランス人は10着しか服を持たない』

ジェニファー・L・スコットの『フランス人は10着しか服を持たない』という本が、2015年度上半期1位のベストセラーを記録した。フランス関連では、異例の売れ行きとさえ言える。学生が貸してくれたので、僕もようやく読んでみた。内容は、2001年1月から半年間、パリのフランス貴族の家にホームステイしたカリフォルニアガールのカルチャーショックを綴ったブログの書籍化である。

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黒沢清、あるいは撮り続ける意思―2015年カンヌ映画祭「ある視点」部門で監督賞―

いまや日本を代表する映画監督のひとり、黒沢清(1955-)が2015年のカンヌ映画祭「ある視点」部門において、最新作『岸辺の旅』により監督賞を受賞した。黒沢はフランスの観客との相性が非常によく、映画ファンの間では日本以上に彼の名声は高い。カンヌでは『回路』(2000)がすでに2001年にコンペティション部門で国際批評家連盟賞を受賞しているし、『アカルイミライ』(2003)もコンペティション部門に正式出品され、2008年には『トウキョウソナタ』が「ある視点」部門の審査員賞を受賞するなど、もはや常連といってもいいほどの存在感を示している。

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ぶらりカンボジア二人旅

今回は長年の夢のアンコールワットを見に、カンボジアはシェムリアップ、五日間の旅。遺跡巡り&その解説重視の某ツーリストによる大人なツアー。しかしそれなりにハードな旅でもあった。この間から珍しく二人旅続きだが、今回のパートナーは仕事仲間のKちゃん。小柄な彼女とわたしが並んでいる様子はまさにでこぼこコンビ。ツアー仲間にはきっと陰で「あのでこぼこ」もしくは「でかいのと小さいの」と呼ばれていたであろう。

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今月の1曲 Ibeyi(イベイー) “River”

ルイ・ヴィトンの広告キャンペーンに楽曲が使われ、にわかに世界の注目を浴びているフランス発、19歳の双子デュオのファーストアルバムから選んでみました。リサ−カインデとナオミはパリ生まれのキューバ育ち。父は、ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブにも参加した高名なパーカッショニスト、アンガ・ディアス。おかげで小さい頃から音楽は身近にあったけれど、手ほどきを受ける事はなく、父の楽器を手にしたのは11才で父と死に別れてからでした。

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北陸新幹線開通に沸く金沢に行ってみた

北陸新幹線の開通で話題の金沢に降り立ちました。関西から来たので、新幹線はまだお預けです。JR金沢駅を出るとすぐに2本の柱が鼓の形をしている巨大な門が出迎えてくれます。屋根の部分は何だかワッフルのよう。まず北鉄バスの周遊券を購入し(3回乗れば元が取れる)、まずは、ひがし茶屋街に向かいます。

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Et Après?—「テロ事件」後のフランス版ELLE誌より

2015年1月7日—パリで世界中を震撼させたイスラム過激派のテロ事件が発生。犠牲となった人々を悼む数知れぬキャンドル。風刺週刊紙『シャルリー・エブド』襲撃を受け掲げられた、表現の自由を訴える思い思いのプラカード。“Je suis Charlie!”のメッセージ。パリを始めフランス全土で街路を練り歩くたくさんのフランス人の姿。事件以後つぎつぎ飛び込んでくる映像に、フランスが受けた衝撃の大きさ、深さを思ったものです。
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ニューヨークでフランス語教育熱が高まる

ニューヨークの公立学校でフランス語がブームになっている。どうやらアフリカの人口爆発と経済成長を見据え、親たちが学校にプレッシャーをかけているらしい。2010年、フランス語を話す人々は2億2000万人(世界人口70億人の3%)だったが、2050年には7億人(世界人口91億人の8%)に達すると言われる。もともとアメリカの上流階級には「フランス式」や「フランス女性」に対する憧れが強かったが、これを機にフランス語だけでなく、フランス文化に対する関心も強まっているようだ。

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今月のあるうち読んどきヤ! 『木村伊兵衛のパリ ポケット版』 朝日新聞出版

1950年代の中頃、渡航は夢のまた夢という時にパリに足を踏み入れた木村伊兵衛がカラーフィルムで撮影した街の姿。外遊の気負いも興奮もどこかにうっちゃって、東京の下町を着流しで歩くように街を歩き回り出会い頭に切り取った、お、という瞬間は、静かでおだやかな明るさに満ちている。パリ祭のようなハレの日の写真もあるものの、大半は街のいつもの暮らしのひとこま。

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Shuhei のフランス語読解:バディゥを読む(3)

ほんとうに心落ち着ける暇も持てないような一月でした。

みなさんもご存知のように2015年が明けてわずか一週間後にパリとその近郊で多くの人命が奪われる惨劇が起き、その四日後にはその犠牲を悼むと同時に、その蛮行に怯まないとする声がフランスで大きなうねりとなりました。そうして日本人もまた、その犠牲者の列に連なることになったのでした。その間には、戦後初の都市型大震災となった阪神淡路大震災から二十年という、忘れられない節目も数えました。