フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学
最新記事

日本野球界はなぜ閉鎖的なのか③–今後の議論のために

 ここで、さきほどその閉鎖的姿勢を批判的に指摘したメディアと野球の関係史も簡単に振り返ってみたいと思います。歴史にifはないといいますが、とくに日本でも有数のスポーツイベントであるプロ野球と高校野球をここまで育て上げてきたのはメディアの支援があってのことであり、その肯定的側面は無視できないと思うからです。

image

日本野球界はなぜ閉鎖的なのか②―プロとアマを隔てた野球統制令

まずは文部科学省のリンク先をご覧ください。このように日本の「教育界」の大元締めといってもいい文部科学省はプロスポーツの役割を積極的に認め、さらに「世界的にアマ・プロスポーツ間の垣根が低くなる傾向」にあるとも述べています(註1)。

image

フランスの「アンダーグラウンド」ポップのショーケース、ラ・スーテレーヌ (La Souterraine)

今から約1年前の2014年1月、パリのレーベル Almost Musique の代表者バンジャマン・カシュラとパリのラジオ局アリグル FM のDJだったローラン・バジョンが中心になって、フランス語で「アンダーグラウンド」を意味するラ・スーテレーヌ(La Souterraine)というサイトを立ち上げました。

image

Shuhei のフランス語読解:バディゥを読む(2)

Bonne Année pour tous ! みなさんあけましておめでとうございます。昨年は小難しいフランス語の文章の読解につきあっていただいて、ありがとうございました。

昨今は容易く「話せる」ことばかりがもてはやされますが、外国語の文章をできるだけ正確に読むということは、なかなかに難しいことです。でも、その難しい行為を時間をかけて丁寧に行うことによって、その言葉を生きて、紡いだ人の思考のエッセンス、性向、息づかいに、何万キロの距離を隔てて、何十年の時を跨いで、今ここで触れることが出来るのです。

image

日本野球界はなぜ閉鎖的なのか①―東京五輪でプロアマ一丸となった最強チームは組めるのか?

先日、ブログ主さんからこんな記事を紹介されました。長年にわたってフランスの球界に貢献したことを称えるために、吉田義男さんの名を冠した大会が当地で開催されることになったのだとか(吉田義男さんとフランス野球界の関係は以前このブログでも紹介しておりますので、興味のある方はそちらの記事もご覧ください)。

image

マイエ家のクリスマス(ポワトゥー=シャラントゥ、フランス)

フランス在住のKiKiさんが、今年のクリスマスの様子を写真で伝えてくださいました。24日のイブから25日にかけてのフランスの家庭の風景です。ロワールのお城めぐりの拠点として有名なトゥールから少し南に位置する、ポワトゥー=シャラントゥ (Poitou-Charantes) 地方のシャテルロー (Châtellerault)という町にある、素敵な一軒家です。

image

FRENCH BLOOM NET 年末企画(4) 今年の注目ニュース&ベストイベント

最後は今年の重大ニュース&ベストイベントです。exquise さんがベスト美術展、おぎのんさんがベスト公演(バレエ)、bird dog さん、Jaidin さん、cyberbloom が今年の注目ニュースをお届けします。みなさん、良いお年を。そして来年も、FBNをご贔屓によろしくお願いします。

image

FRENCH BLOOM NET 年末企画(3) 2014年のベスト本

第3弾は2014年のベスト本です。FBN のライターの他に、文芸評論家の陣野俊史さん、Small Circle of Friendsのサツキさんに参加していただきました。冬休みの読書の参考になれば幸いです。

image

FRENCH BLOOM NET 年末企画(2) 2014年のベストCD

恒例の年末企画。第2弾は2014年のベストCDです。今回は FBN のライター陣の他に、アーティストのサエキけんぞうさん、サエキさんに紹介していただいた仏音楽に造詣の深い秋山美代子さん、文芸評論家の陣野俊史さん、POISON GIRL FRIEND の nOrikO さん、ヒップホップデュオの Small Circle of Friends さん、マニアックなフランス音楽とフランス語のツィートでおなじみの福井寧(@futsugopon)さん、雑誌『ふらんす』編集長 Mlle Amie さん、音楽プロモーターのわたなべさん、金沢大学のライの伝道師、粕谷祐己さんにも参加していただきました。

image

FRENCH BLOOM NET 年末企画(1) 2014年のベスト映画

恒例の年末企画、第1弾は2013年のベスト映画です。ちなみに老舗仏映画雑誌『カイエ・デュ・シネマ』のベスト10は、1.「P’tit Quinquin(原題)」(ブリュノ・デュモン監督) 2.「さらば、愛の言葉よ」(ジャン=リュック・ゴダール監督) 3.「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」(ジョナサン・グレイザー監督) 4.「マップ・トゥ・ザ・スターズ」(デビッド・クローネンバーグ監督) 5.「風立ちぬ」(宮崎駿監督)

image

「これ、どう訳しますか?」

フランス語会話や作文の授業を担当していると、ときどき、「これ、どう訳しますか?」という学生の質問に窮することがある。もちろん、僕のフランス語の知識が不足していることが最大の原因だが、それだけではなく、「日本語にはあってもフランス語にはない語彙」があるからだ。それは、日本とフランスの風習の違いによる。いくつか例を挙げてみよう。

image

藤野敦子著 『不思議フランス』 – 同時に日本の不思議を問う

なぜフランスは「女性が子どもを持っても、いくつになっても愛を語れる国」でいられるのか?これはフランスの最大の不思議のひとつであるが、著者の藤野さんは、この問いを通して、女性が自分らしく生きることのできる社会を模索する。そして、人を愛するとか、子どもを持つという、人間の自然な欲求と思われているものが、いかに経済や社会的な制度に大きく左右されてしまうかを明らかにする。日本とフランスを比較することはそれを両極端の形で浮かび上がらせることになる。

image

Shuhei のフランス語読解:バディゥを読む(1)

Bonjour/Bonsoir, mes amis !

お偉い方々がなにかにつけ白か、黒かを人々に迫るせいでしょうか。月日の経過が慌ただしく、先日 La Toussaint を過ぎたかと思えば、もう Les Champs-Elysées  ではクリスマスに向けて華やかなイルミネーションが灯されました。

image

アフリカとフランス ‐ 軍事介入、自動車、言語&メディア戦略

現在、アフリカでエボラ出血熱が猛威をふるい、アフリカ大陸以外にも広がる勢いである。それでなくてもアフリカから届くのは内戦とか虐殺とか、イスラム武装勢力の暗躍とか、ネガティブなニュースが多く、地球の最後のフロンティアと言われるアフリカは大丈夫なのかと心配になってくる。しかし、この心配は後で述べるように、アフリカを貧困と紛争のイメージで描きたがる、欧米メディアのひとつの効果に過ぎないのかもしれないし、エボラ出血熱騒動も、アフリカと世界のつながりが深まってきたことを示しているのかもしれない。

image

トリュフォー没後30年特集④―トリュフォー映画・独断的ベスト10(その2)―

5位:『終電車』(1980)
トリュフォー映画最大のヒット作。セザール賞10部門独占。トリュフォーはこれで名実ともにフランスを代表する映画監督となった。カトリーヌ・ドヌーブ、ジェラール・ドパルデューのいずれも素晴らしい演技を披露している。この映画がこれだけフランスでもてはやされたのは、「ナチス・ドイツによる占領下のパリ」というフランスの最も辛い経験に対して、その悲惨な出来事から目を背けることなく、しかし、登場人物たちを気高く描き切った点にあるだろう。

image

トリュフォー没後30年特集③―トリュフォー映画・独断的ベスト10(その1)―

トリュフォー映画ほど人によって好みが変わるものも珍しいのではないだろうか。『恋のエチュード』を最高という人もいれば、「あの主人公の優柔不断さだけは絶対に許せない」と憤慨する人がいるという具合に、映画ファンの中でも毀誉褒貶の幅が激しいのがトリュフォーの映画である。そんな彼の映画を今回は執筆者の独断と偏見で順位付けをしてみよう。

image

What Valérie really wants …フランス大統領の EX を巡る考察

ヴァレリー・トリールヴァイレールがオランド大統領と公式に別れてからはや半年が経つ。本当にお気の毒な人だった。大統領とはもともとぎくしゃくしていたらしいが、あのカッコ悪い密会(運転手付スクーターに二人乗りして逢い引きの場所へ移動、SPが朝食のクロワッサンをデリバリー)がゴシップ雑誌にスクープされ、全世界に喧伝されてしまった。

image

若者言葉はどこでも同じ?

先日、最近の新語がニュースで取り上げられていた。「ディスる」(非難する)や「コクる」(告白する)などの造語や、「詰まる」(終わる、ダメになる)などの新用法が紹介されていた。僕自身は使わないものの、だいたいは意味が分かって、ほっとした。若者相手の商売だから、見当もつかないというのは、ちょっと淋しい。

image

Shuhei のフランス語読解:クンデラを読む(4)

 Bonjour, bonsoir mes amis ! みなさん、お変わりありませんか。先の日曜に噴火した御嶽山のことはフランスのメディアでも大きく取り上げられていました。広島の土砂崩れに火山の噴火、そしてまたこの週明けには台風が接近する恐れがあるとの報道もあります。

そうした災害をきっかけに思い直してみると、本来この日本という国土は、大変自然条件の厳しい国であることにあらためて思い当たります。

image

トリュフォー没後30年特集②―J=P・レオー、あるいは引き裂かれた人生―

トリュフォー映画と言えば、俳優ジャン=ピエール・レオーのことがすぐに思い出される。自伝的シリーズでトリュフォーの分身ともいえる主人公アントワーヌ・ドワネルを演じたこの俳優を見たことがないフランス映画ファンはいないはずだ。しかし、彼に対する反応は様々であろう。強烈にドワネルの人生に肩入れしてレオーを愛する人もいれば、ドワネルの優柔不断さをレオーのそれと同一視して、どうしても好きになれないという感想を抱く人もいる。確かにレオー自身の生の在り方も複雑で、苦労の連続であったことが様々な証言から明らかになりつつある。

image

アエロトランの廃線をめぐって

オルレアンからパリへ向かう電車に乗ると、右側に奇妙な高架がしばらく続く。一見するとモノレールに似ているが、凸型のコンクリート製の線路で、使用されている様子はなく、落書きだらけだ。駅らしい廃墟も見当たらない。ボース平原をひたすら横切って、ある地点でぷつりと途絶えてしまう。