フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学
最新記事

フランスの埋葬事情~書評『これからの死に方』(1)

フランスでは墓地が観光スポットになっている。初めてフランスに行ったとき、モンパルナス墓地、ペールラシェーズ墓地、モンマルトル墓地を回って、地図を片手に文学者たちの墓を探したものだった。またペールラシェーズ墓にはパリで客死したドアーズのジム・モリソンの墓があり、墓の前では彼のファンのヒッピーたちが踊っていた。

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「アスファルト」 イザベル・ユペール主演 9月3日公開!

最初はなんなのこの映画―と思うかも。ヒーローもアクションも美女もなし。舞台は何の変哲もない団地。そこに住む男女を巡るオムニバス。

足を怪我した冴えない男と看護婦

高校生と落ちぶれた女優

アラブ系移民の女性と団地に不時着した宇宙飛行士

三組のそれぞれの交流が描かれる。交流というか、愛の形と言えるのかも。

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今月の一曲 :“Lolly Lolly”  Wendy & Lisa  アルバム”Fruit at the Bottom”収録(1989)

プリンスはひとりではプリンスに成り得なかった、というのが、死後殿下について書かれたものをあれこれ読んだ率直な感想でした。全ての楽器をこなし、ソングライティングもビジュアル面も全て自分で仕切った孤高の完璧主義者という印象が強い殿下ですが、

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あるうち読んどきヤ! 『シュヴァル 夢の宮殿をたてた郵便配達夫(たくさんの不思議傑作選)』 福音館書店

子供の頃の裏読書、といえばチープな図鑑・事典類。世界の不思議、怪奇、妖怪、UFOとうさんくささ丸出しの見出し、荒い粒子の写真と挿絵、大げさな文章。でも、ページを開くたびにわくわく感は高まり、「ほんの少しはみ出すこと」の快感に酔いしれたものです。

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『ミモザの島に消えた母』―ミステリーの伝統と映画史の記憶の中で―

とかく、フランス人はミステリー好きな国民である。テレビでは毎週金曜日の午後、3~4時間ぶっ続けで「ミステリーもの」のテレビドラマを放送する(そのような番組をフランス語ではpolarと呼ぶ)。普通は一本終わったら別の傾向のドラマが始まりそうなものだが、二本連続で探偵ものが続くという律義さには驚かされる。

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イヴ・ボヌフォア追悼―「遂に永遠が彼を<彼自身>に」―

イヴ・ボヌフォア追悼―「遂に永遠が彼を<彼自身>に」―2016年7月1日、フランスを代表する詩人イヴ・ボヌフォアが逝去した。享年93歳。1923年生まれという世代なので、いつ訃報が届いてもおかしくはなかった。しかし、実際にこのニュースを知ると、やはり「巨星、墜つ」という喪失感がある。

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ポーランド書店と「戦場のプルースト」

外国人が多く住むパリには、外国語(つまりフランス語以外)の本を専門にした書店がいくつかある。そんななかでも、僕が好きなのが、サン=ジェルマン大通り123番の「ポーランド書店」だ。重い扉を押して、細長い店内に入ると、ポーランド関連のフランス語書籍が、背の高い本棚にぎっしりと並べられている。

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≪勝利≫≪教訓≫≪衝撃≫:英国EU離脱についてのフランス政界の反応~ル・モンドより

欧州連合(EU)からの離脱を問うイギリスの国民投票で離脱派が勝利するというショッキングな結末に、内外で様々な反応が起こっています。このまま離脱手続きが進んでいくにしたがって、イギリスは経済的にジリ貧になるはず。海外からの対英投資減少、海外からの原材料の調達コストがアップ(原則的に関税のない自由経済圏からの離脱)し、

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シャルル・トレネを歌うロッド・スチュワート

2016年6月10日、イギリスの歌手ロッド・スチュワート(Rod Stewart)にナイトの爵位を授けられることが発表された。エリザベス2世女王の90歳の誕生日を祝う事業の一環とのこと。ロック歌手の叙勲など、もはや珍しくも何ともない話だが、ロッドといえば、少し気になっていたことがあったので、この機会に一言述べておこう。

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フランスの新しいフォークポップ

最近フランスではフォークポップ的な音楽が注目を集めはじめてきているようです。フォーク&カントリーは従来フランスでまったく人気がないジャンルでしたが、最近このジャンルの音楽で一部の注目を集めるミュージシャンが現れてきています。今日はフランスの新しいフォークポップやフォーク&カントリーを数組紹介してみたいと思います。

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ルー・ドワイヨンのおしゃれルール

昨年秋に新しいアルバムをリリースしたルー・ドワイヨン。華奢な姿に似合わぬファニーでドスの利いた声で歌うロックな楽曲は、英語で歌われていることもあり、フランス国外の音楽好きからも注目を集めています。

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食べたいから、作る! レイチェル・クーのフレンチ・クッキング

Eテレというチャンネルは、ときどき、思いがけない楽しい輸入ものの番組をひっそりオンエアします。最近の掘り出し物は、イギリス人のシェフ・フードライター、レイチェル・クー(Rachel Khoo)の料理番組、”The Little Paris Kitchen”です。

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今月の1曲 “Starfish and Coffee” Prince (1986)

プリンスさん急死、のヘッドラインに呆然とした一人だ。一枚のアルバムは体の一部になってしまったのではないかと思うほど聴いて聴いて、聴いた。そんな特別な一枚から選んだのがこの曲。キュートな曲を作るのがとても上手な人だったけれども、とりわけ彼らしいキラキラ感にあふれていて、イントロのベルの音も楽しい。でも、なぜヒトデとコーヒーなのか?

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リンゴの花が咲くころ~ノルマンディのシードル街道 La route du cidre

リンゴの木 pommier の花をご覧になったことがあるだろうか。リンゴの木は5月になると白い花をつけ、ちょうど日本の桜のように一斉に満開になり、ノルマンディの美しい風景を演出する。

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イスラムファッションに投資すべきか

数年前にマレーシアに行ったとき、イスラムの伝統衣装、アバヤで全身を覆った女性たちと一緒になった。空港で同じ列に並んで入国審査を待つことになったからだ。初めて間近でそれを見たのだが、意外にファショナブルで驚いた。赤い刺繍が施され、ラメもキラキラ光っていて、ベースが黒だけにいっそうエレガントに見えた。

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フランス語を学ぶ人のためのFBNナビ2016

フランス語を学ぶ学生さんたちのためにナビゲーション記事をアップしました。フランス語に関する情報、おすすめの辞書や参考書、最後に、フランス語を始める人たちへのアドバイスになるような記事や、アンケートで学生さんたちに人気のあった記事をピックアップしました。フランスやフランス語を通して何が学べるのかを、記事を読んで参考にしてみてください。

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今月の一曲 “Que reste-t-il de nos amours? “ Benjamin Biolay

フランス産のメロディはもっぱらシャンソン、フレンチ・ポップスというラベルをはって輸出され、「舶来もの」として親しまれています。しかし、中には、そうしたラベルがすっかり取れてしまい、単に「すてきな歌」として愛されているものもあります。そんな稀な歌を作り歌って世に送り出したのが、シャルル・トレネです。例えば彼の代表曲、”La Mer” は海を越え全く違う英語の衣装を着せられ大ヒット。

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追悼ジョージ・マーティン:ビートルズとフランス

僕がフランス国歌を知ったのは、子供の頃、家で流れていたビートルズの「All You Need Is Love」のイントロによってだった。そのスコアを書いたジョージ・マーティン卿が、2016年3月8日に亡くなった。享年90歳。ビートルズのプロデューサーとして有名であり、それ以上に言うべきこともないように見える。

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複雑な関係をタフに生きる:セドリック・クラピッシュ 『ニューヨークの巴里夫』

フランス人とアメリカ人の恋愛観の違いについて、フランス人は恋人と別れたあとも友人として関係を継続するけれど、アメリカ人は別れたらそれで終わりになる、とよく言われる。アメリカ人の男女関係は基本的に They lived happily ever after (ふたりは末永く幸せに暮らしましたとさ)で、もし別れてしまったらそこでリセットされる。

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あるうち読んどきヤ! 『パリは燃えているか?』 ドミニク・ラピエール&ラリー・コリンズ

パリ解放—と聞くと、思い浮かぶのがモノクロのニュースフィルムの映像。満面の笑みをうかべたパリ市民。美しいパリジェンヌ達の大歓迎を受ける陽気なアメリカの兵士達。フランスの地を再び踏んだド・ゴール将軍。つらい時代が終わった良き日、お祭り騒ぎの日、という漠然とした印象を持たれるのではないでしょうか。

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『水曜日のアニメが待ち遠しい』 – アニメと移民の意外な関係

よくあるアニメ本かと思っていたが、読んでみたら意外に骨のある内容だった。特に面白かったのは、フランスに日本のアニメが浸透していった時期と、フランスにもともと住む中間層と他国からやってきた移民を混ぜ合わせるような都市政策が一種の社会実験としてフランスで進められていた時期が重なり合っていたという、日本からは見えにくい事実だ。