フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学
最新記事

Et Après?—「テロ事件」後のフランス版ELLE誌より

2015年1月7日—パリで世界中を震撼させたイスラム過激派のテロ事件が発生。犠牲となった人々を悼む数知れぬキャンドル。風刺週刊紙『シャルリー・エブド』襲撃を受け掲げられた、表現の自由を訴える思い思いのプラカード。“Je suis Charlie!”のメッセージ。パリを始めフランス全土で街路を練り歩くたくさんのフランス人の姿。事件以後つぎつぎ飛び込んでくる映像に、フランスが受けた衝撃の大きさ、深さを思ったものです。
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ニューヨークでフランス語教育熱が高まる

ニューヨークの公立学校でフランス語がブームになっている。どうやらアフリカの人口爆発と経済成長を見据え、親たちが学校にプレッシャーをかけているらしい。2010年、フランス語を話す人々は2億2000万人(世界人口70億人の3%)だったが、2050年には7億人(世界人口91億人の8%)に達すると言われる。もともとアメリカの上流階級には「フランス式」や「フランス女性」に対する憧れが強かったが、これを機にフランス語だけでなく、フランス文化に対する関心も強まっているようだ。

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今月のあるうち読んどきヤ! 『木村伊兵衛のパリ ポケット版』 朝日新聞出版

1950年代の中頃、渡航は夢のまた夢という時にパリに足を踏み入れた木村伊兵衛がカラーフィルムで撮影した街の姿。外遊の気負いも興奮もどこかにうっちゃって、東京の下町を着流しで歩くように街を歩き回り出会い頭に切り取った、お、という瞬間は、静かでおだやかな明るさに満ちている。パリ祭のようなハレの日の写真もあるものの、大半は街のいつもの暮らしのひとこま。

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Shuhei のフランス語読解:バディゥを読む(3)

ほんとうに心落ち着ける暇も持てないような一月でした。

みなさんもご存知のように2015年が明けてわずか一週間後にパリとその近郊で多くの人命が奪われる惨劇が起き、その四日後にはその犠牲を悼むと同時に、その蛮行に怯まないとする声がフランスで大きなうねりとなりました。そうして日本人もまた、その犠牲者の列に連なることになったのでした。その間には、戦後初の都市型大震災となった阪神淡路大震災から二十年という、忘れられない節目も数えました。

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日本野球界はなぜ閉鎖的なのか③–今後の議論のために

 ここで、さきほどその閉鎖的姿勢を批判的に指摘したメディアと野球の関係史も簡単に振り返ってみたいと思います。歴史にifはないといいますが、とくに日本でも有数のスポーツイベントであるプロ野球と高校野球をここまで育て上げてきたのはメディアの支援があってのことであり、その肯定的側面は無視できないと思うからです。

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日本野球界はなぜ閉鎖的なのか②―プロとアマを隔てた野球統制令

まずは文部科学省のリンク先をご覧ください。このように日本の「教育界」の大元締めといってもいい文部科学省はプロスポーツの役割を積極的に認め、さらに「世界的にアマ・プロスポーツ間の垣根が低くなる傾向」にあるとも述べています(註1)。

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フランスの「アンダーグラウンド」ポップのショーケース、ラ・スーテレーヌ (La Souterraine)

今から約1年前の2014年1月、パリのレーベル Almost Musique の代表者バンジャマン・カシュラとパリのラジオ局アリグル FM のDJだったローラン・バジョンが中心になって、フランス語で「アンダーグラウンド」を意味するラ・スーテレーヌ(La Souterraine)というサイトを立ち上げました。

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Shuhei のフランス語読解:バディゥを読む(2)

Bonne Année pour tous ! みなさんあけましておめでとうございます。昨年は小難しいフランス語の文章の読解につきあっていただいて、ありがとうございました。

昨今は容易く「話せる」ことばかりがもてはやされますが、外国語の文章をできるだけ正確に読むということは、なかなかに難しいことです。でも、その難しい行為を時間をかけて丁寧に行うことによって、その言葉を生きて、紡いだ人の思考のエッセンス、性向、息づかいに、何万キロの距離を隔てて、何十年の時を跨いで、今ここで触れることが出来るのです。

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日本野球界はなぜ閉鎖的なのか①―東京五輪でプロアマ一丸となった最強チームは組めるのか?

先日、ブログ主さんからこんな記事を紹介されました。長年にわたってフランスの球界に貢献したことを称えるために、吉田義男さんの名を冠した大会が当地で開催されることになったのだとか(吉田義男さんとフランス野球界の関係は以前このブログでも紹介しておりますので、興味のある方はそちらの記事もご覧ください)。

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マイエ家のクリスマス(ポワトゥー=シャラントゥ、フランス)

フランス在住のKiKiさんが、今年のクリスマスの様子を写真で伝えてくださいました。24日のイブから25日にかけてのフランスの家庭の風景です。ロワールのお城めぐりの拠点として有名なトゥールから少し南に位置する、ポワトゥー=シャラントゥ (Poitou-Charantes) 地方のシャテルロー (Châtellerault)という町にある、素敵な一軒家です。

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FRENCH BLOOM NET 年末企画(4) 今年の注目ニュース&ベストイベント

最後は今年の重大ニュース&ベストイベントです。exquise さんがベスト美術展、おぎのんさんがベスト公演(バレエ)、bird dog さん、Jaidin さん、cyberbloom が今年の注目ニュースをお届けします。みなさん、良いお年を。そして来年も、FBNをご贔屓によろしくお願いします。

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FRENCH BLOOM NET 年末企画(3) 2014年のベスト本

第3弾は2014年のベスト本です。FBN のライターの他に、文芸評論家の陣野俊史さん、Small Circle of Friendsのサツキさんに参加していただきました。冬休みの読書の参考になれば幸いです。

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FRENCH BLOOM NET 年末企画(2) 2014年のベストCD

恒例の年末企画。第2弾は2014年のベストCDです。今回は FBN のライター陣の他に、アーティストのサエキけんぞうさん、サエキさんに紹介していただいた仏音楽に造詣の深い秋山美代子さん、文芸評論家の陣野俊史さん、POISON GIRL FRIEND の nOrikO さん、ヒップホップデュオの Small Circle of Friends さん、マニアックなフランス音楽とフランス語のツィートでおなじみの福井寧(@futsugopon)さん、雑誌『ふらんす』編集長 Mlle Amie さん、音楽プロモーターのわたなべさん、金沢大学のライの伝道師、粕谷祐己さんにも参加していただきました。

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FRENCH BLOOM NET 年末企画(1) 2014年のベスト映画

恒例の年末企画、第1弾は2013年のベスト映画です。ちなみに老舗仏映画雑誌『カイエ・デュ・シネマ』のベスト10は、1.「P’tit Quinquin(原題)」(ブリュノ・デュモン監督) 2.「さらば、愛の言葉よ」(ジャン=リュック・ゴダール監督) 3.「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」(ジョナサン・グレイザー監督) 4.「マップ・トゥ・ザ・スターズ」(デビッド・クローネンバーグ監督) 5.「風立ちぬ」(宮崎駿監督)

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「これ、どう訳しますか?」

フランス語会話や作文の授業を担当していると、ときどき、「これ、どう訳しますか?」という学生の質問に窮することがある。もちろん、僕のフランス語の知識が不足していることが最大の原因だが、それだけではなく、「日本語にはあってもフランス語にはない語彙」があるからだ。それは、日本とフランスの風習の違いによる。いくつか例を挙げてみよう。

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藤野敦子著 『不思議フランス』 – 同時に日本の不思議を問う

なぜフランスは「女性が子どもを持っても、いくつになっても愛を語れる国」でいられるのか?これはフランスの最大の不思議のひとつであるが、著者の藤野さんは、この問いを通して、女性が自分らしく生きることのできる社会を模索する。そして、人を愛するとか、子どもを持つという、人間の自然な欲求と思われているものが、いかに経済や社会的な制度に大きく左右されてしまうかを明らかにする。日本とフランスを比較することはそれを両極端の形で浮かび上がらせることになる。

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Shuhei のフランス語読解:バディゥを読む(1)

Bonjour/Bonsoir, mes amis !

お偉い方々がなにかにつけ白か、黒かを人々に迫るせいでしょうか。月日の経過が慌ただしく、先日 La Toussaint を過ぎたかと思えば、もう Les Champs-Elysées  ではクリスマスに向けて華やかなイルミネーションが灯されました。

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アフリカとフランス ‐ 軍事介入、自動車、言語&メディア戦略

現在、アフリカでエボラ出血熱が猛威をふるい、アフリカ大陸以外にも広がる勢いである。それでなくてもアフリカから届くのは内戦とか虐殺とか、イスラム武装勢力の暗躍とか、ネガティブなニュースが多く、地球の最後のフロンティアと言われるアフリカは大丈夫なのかと心配になってくる。しかし、この心配は後で述べるように、アフリカを貧困と紛争のイメージで描きたがる、欧米メディアのひとつの効果に過ぎないのかもしれないし、エボラ出血熱騒動も、アフリカと世界のつながりが深まってきたことを示しているのかもしれない。

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トリュフォー没後30年特集④―トリュフォー映画・独断的ベスト10(その2)―

5位:『終電車』(1980)
トリュフォー映画最大のヒット作。セザール賞10部門独占。トリュフォーはこれで名実ともにフランスを代表する映画監督となった。カトリーヌ・ドヌーブ、ジェラール・ドパルデューのいずれも素晴らしい演技を披露している。この映画がこれだけフランスでもてはやされたのは、「ナチス・ドイツによる占領下のパリ」というフランスの最も辛い経験に対して、その悲惨な出来事から目を背けることなく、しかし、登場人物たちを気高く描き切った点にあるだろう。

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トリュフォー没後30年特集③―トリュフォー映画・独断的ベスト10(その1)―

トリュフォー映画ほど人によって好みが変わるものも珍しいのではないだろうか。『恋のエチュード』を最高という人もいれば、「あの主人公の優柔不断さだけは絶対に許せない」と憤慨する人がいるという具合に、映画ファンの中でも毀誉褒貶の幅が激しいのがトリュフォーの映画である。そんな彼の映画を今回は執筆者の独断と偏見で順位付けをしてみよう。

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What Valérie really wants …フランス大統領の EX を巡る考察

ヴァレリー・トリールヴァイレールがオランド大統領と公式に別れてからはや半年が経つ。本当にお気の毒な人だった。大統領とはもともとぎくしゃくしていたらしいが、あのカッコ悪い密会(運転手付スクーターに二人乗りして逢い引きの場所へ移動、SPが朝食のクロワッサンをデリバリー)がゴシップ雑誌にスクープされ、全世界に喧伝されてしまった。