フランスの南西部、大西洋に面し、スペインとの国境にあたる Bayonne を中心とするバスク地方は、フランスの中でも特に異色とされる場所のひとつ。それは、フランス‐スペインにまたがるこの地方で話される、両国のどちらのものにも似つかわしくない孤立した謎の出自の言語「バスク語」や、民族衣装とされる白い服に赤いスカーフ、ベレー帽という服装…によるものでしょう。Bayonne のカラフルな建物にも、バスクをあらわす旗にみられる赤・緑・白が基調になっている様子がみられます(トップ写真)。
Piment d’esplette(ピモンデスプレット※赤唐辛子の品種で、辛みより甘みがあるのが特徴)や Txakoli(チャコリ。アルコール度が低く、微発砲の白ワイン。)といったスペシャリテをはじめとし、食文化も非常にユニーク。
もちろん、お菓子についても、バスク地方独特のものが複数存在します。そのひとつが、Bêrét Basque(ベレ・バスク)。バスクでは、元々中世の聖職者たちがかぶっていた帽子が庶民にも広まりベレー帽となった、ベレー帽発祥の地であると言われており、このケーキもベレー帽の形を模したものとなっています。バスクの人々の自文化への誇りを感じることができる素敵なケーキだと思います。赤・緑・白のバスクの旗イクリニャを飾って仕上げてみてくださいね!
Bêrét Basque(ベレ・バスク)
準備:30分以内 休憩:2~3時間
■材料■ 18㎝型 一台分
スポンジケーキ 1台
ビターチョコレート 100g
バター 75g
砂糖 50g
たまご 2個
ココアパウダー
トッピング用チョコ
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1.細かくしたビターチョコレートをボウルにいれ、湯せんにかけて溶かします(手を止めず混ぜながら)。ここに少しずつバターを加えてください。チョコとバターが完全に溶ければできあがり。火から下ろします。
2.たまごの白身と黄身を分けます。黄身と砂糖を①のボウルに加えて混ぜ、粗熱をとってください(①*)。別のボウルにて白身をしっかりと泡立て、少しずつ、ゆっくりと①*に加えて混ぜます。
3.スポンジケーキを上下の半分に切り、下の部分をお皿に置いて、スポンジの上にクリームを乗せドーム型にし、その上にもう半分のスポンジを乗せてベレー帽の形にします。
4.残りのクリームを上から塗って形を整え、トッピング用チョコをかければできあがりです。小さな濾し器でココアパウダーを振りかけても綺麗です。
食べる直前まで冷やして、お召し上がりください。
神戸在住。パリ留学中にフランスの地方の豊かな食文化に傾倒。フランスの町とお菓子のことを中心にお伝えさせて頂きます。2016年春より、とある山の上にて、地方菓子を味わいながらフランス語・食文化に触れる会を月1で開催中。