フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

「人生のサウンドトラック」にしたい音楽 Nu là-bas / Tété

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Nu là-bas(ニュ・ラバ。「むこうで裸で」の意)。テテの3年ぶり5枚目のオリジナルアルバム。これまでになくパワフルで、ポジティヴで、カラフルな作品。

ジャケットの踊るテテも意表をつく感じでよろしい。身なりにかまうようなタイプにはおよそ見えなかったこの男が60年代風の細身のスーツをそつなく着こなすなんて誰が想像しただろうか。 裸のままで個人的な内容(家族のこと、生い立ちのこと、新人時代のこと)を歌った歌が多く、作詞面でも前作までとの違いが際立っている。この点について最近のインタビューで彼はだいたい以下のようなことを語っている。

「この新作に取りかかる前に、昔のアルバムを通して聞いてみた。するとアレンジや紋切り型のむこうに隠れてしまって姿の見えない誰かさんの歌を聴いてるような感じがした。それでぼくは、これまで自分のこと,自分の根っこ(racine)のことを歌ってこなかったことに気づいたんだ」。

そこで彼は新作の構想に際し、人生のいろんな思い出(souvenirs)を掘り起こす作業を自らに課す。その過程で彼じしん、思い出の中で「裸に(nu)」なって行った…。 これがNu là-basというアルバムタイトルの由来らしい。 音楽面ではR&B色、60年代色が強まり、跳ね回るストリングス(良い味出してる)やシンセ(!)がメリハリをきかせる派手な作品になっている(これまでのテテ節に近い傾向のフォーキーな曲ももちろんあるが)。前作でも変化の予兆はあったが、今回完全に一皮むけた感じだ。 こぢんまりと片付いた室内から飛び出し、文字通り「裸で」外の世界に対峙するような爽快感にあふれた傑作である。

私がとくに気に入ったのは2曲目のNus là-bas(タイトルチューンだが、こちらはnuが複数になってる。パワフルなラブソング)と5曲目のLa bande son de ta vie(「きみの人生のサウンドトラック」の意)。 ほんとうにひさしぶりに、音楽から生きる力をもらった気がした…。

参照したインタビュー(仏語) www.mensup.fr/evasion/musique-concert/a,67148,le-dandy-tete-en-interview-et-en-live.html www.tete.tt/category/press/

□La bande son de ta vie (Clip Officiel) youtu.be/SR0Mx0OazBU

□Ritournelle + Nus là-bas (double session studio) youtu.be/lAFv2erw9rg

◆私が入手したのは仏盤だが、もう国内盤も出ているようだ(邦題「裸のままで」)。わが国での最近の仏音楽に対する冷遇ぶりからは考えられない素早さ(仏盤発売から2週間ほど)だが、それだけ人気があるんでしょうね。しかも国内盤にはボーナストラックが…..。もし聴いた人がいたら評価を教えてください。

裸のままで
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