フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

ぶらりカンボジア二人旅

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今回は長年の夢のアンコールワットを見に、カンボジアはシェムリアップ、五日間の旅。遺跡巡り&その解説重視の某ツーリストによる大人なツアー。しかしそれなりにハードな旅でもあった。この間から珍しく二人旅続きだが、今回のパートナーは仕事仲間のKちゃん。小柄な彼女とわたしが並んでいる様子はまさにでこぼこコンビ。ツアー仲間にはきっと陰で「あのでこぼこ」もしくは「でかいのと小さいの」と呼ばれていたであろう。

いざ南国へ

直行便のないシェムリアップまではホーチミン乗り換えで通算六時間半ほど。関空で乗り込んだベトナム航空機がやたら暑い。空港まで着こんでいた皮ジャンは当然脱いでいたが(この日の大阪の気温は最高が8度)、関空自体が出国の混雑故か暑くてパーカーも脱ぐ羽目に。更に暑い機内ではノースリーブに。目的地の暑さの予行演習じゃないのーと気分もやおら盛り上がる。

映画を見るほどの間もなくあっさり乗り換えで、ホーチミンで待つこと一時間。ここで我々は、パスポートを入れて腰に巻く白い安全ベルトをなぜか服の上に巻くおじさんを目撃。その息子は貴重品入れのポーチを胸にがっちりつけ、母は首から服の外にポーチをぶら下げるという実に三人そろって「ここにあるからどうぞ引ったくってね」と言わんばかりのわかりやすさ。

Kは最初おじさんの下着がはみ出していると思ったらしい。白パンツね。赤い我が国のパスポート透けて見えてますけど。この親子の先行きが不安になった我々である。

こぶりな可愛らしい空港に到着。迎えにきた現地のガイドさんは実に日本語のうまいブットさん。たまーに同ツアーのおばさまに「ブッタさん」とか言われていた。あまり時間をガミガミ言わないちょっとゆるい辺りが南国的でいい感じのガイドさんである。

ホテルに行く前に食事をし、そこで食べ物にたかるハエとバスの中の蚊の洗礼を浴びてああ、来たわ東南アジアーと実感しつつホテルに向かうのであった。

あのね、手桶は必需品

一応は四つ星との触れ込みだけれど、アジアの四つ星はじつに微妙。部屋は広くて清潔だが、ハンガーはわずかに一人二本ずつだし、タオルをかけるところやサニタリーバッグながない等細かい点が欠けている。そして来たよヘッドシャワー。

でもこれは予測ずみだもんねーと意気揚々とスーツケースから手桶を出す私。長年の旅の友で丸ではなく四角のこぶりの手桶は母が捜してくれたもの。だってね、ピンポイントでお湯かけたいじゃないですか。洗濯もできるし、顔も洗えるでしょ。ハードケースで余裕がある人はぜひ手桶を一つ。割れものも入れられるよ。

現にツアー仲間のおじさまはシャワーの向きをさんざん動かしたあげくヘッドをこわしてしまったらしい。その上部屋がうるさくて変えてもらったりで疲れた奥さまは暑さも相まって翌日の旅程をすべてキャンセル。悲劇。

いざアンコールワットへ

でもその前にー。

今回のツアーの目玉は遺跡の修復を指導しているJASAの方の解説付きで遺跡を回れるというもの。まずJASAに赴きビデオで全体像の説明を受け、これまた日本語の上手な現地スタッフに遺跡の歴史を教えてもらう。アンコールワットという名前だけを良く聞くが、正確には遺跡群であって、時代ごとに様式も微妙に異なっている。仏教とヒンズー教も混ざりあい、その時々の王が、高いところが聖なる場所というので山のないシェムリアップ、石やレンガを積み上げて高く高く王宮や寺院を創りあげていったという。

まずはアンコールワットよりさらに新しいバイヨン寺院へ。

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JASAで唯一現地に残っている日本人研究者の説明を聞きながら修復の様子を見学。日本の技術だと修復箇所がわからないようにできるのだが、国によっては修復箇所はそのままわかるようにするところもあるらしく、日本式がいいんじゃないの?と思ってしまう。色々な面でカンボジアの遺跡保全にも協力している日本だけれど、あまり知られていないのは残念。他にも道路などの施設や、水道設備などにおいても貢献している。そういうとこもっとアピールしたらいいのになあ。

崩れた石にも番号を細かく振り、更に表面を叩いてならし、また元通りに積み上げるという実に地道な作業を、若いカンボジア人たちが立っているだけで汗が滴りおちる暑さの中、熱心に取り組んでいた。

お昼寝の時間

クメール料理のバッフェを頂き、麺の好きな私はカンボジアの米の麺クィ・ティウに舌鼓。ベトナムのフォーよりも細くビーフンのよう。お出汁は実にあっさりで、自らライムや胡椒、塩、魚醤で勝手に味を調える。ここで日本人のじいちゃんがペロッと舐めた指に塩をつけたのに遭遇。確認したかったらしいが、こらあ! オヤジ―、何すんだよ。一気に食べる気を失う我々であった。

その後はあまりに暑い昼間はこちらではお昼寝タイムである。ホテルでしばし休憩。これっていいシステムだよね。日本の夏も冗談じゃないくらい暑いのだから、12時から2時あたりまで夏はみなさんお昼寝導入したらいいんじゃない。それでもって夕方延長とか。どうですかね。

いざアンコールワット

やはりあの並んだ三つのいがぐりが見えるとテンションが上がる―。

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お濠に映る姿も神秘的である。いがぐりみたいなのは実は蓮の花のモチーフ。

かつての王の道から王宮へ。中には2000人もいたと言われる美女たちのレリーフが回廊を彩る。ひとつひとつ異なる顔の美女たち。好みの美女を選んで撮影。少し目が細いのは中国系。おおらかな顔立ちはカンボジア系。彫りが深いのはインド系の美女だとか。

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絵で選別されたという美女。絵師にはかなり高額が支払われたのでは…

やや夕陽が当たり始めた王宮は、かなり急な階段を上るので王様も大変―とはいえきっと担がれて上ったのかしらね。にしても怖いよな。それも。などと思いつつ。第三回廊のマハーバーラタを描いた見事な壁のレリーフの細かさと、そこはかに見受けられる細かいユーモアにも感動。じっくり見ていると何時間もかかってしまう。

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夜はまあお決まりなんでしょうね、宮廷舞踏のアプサラダンスを見ながらのバッフェ。

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ここで我々は中国語で無理からに話しかけ、「あ、これおいしくないわ」と立ったままで食べては気に入らないとその場に残りを置いていくツワモノの中国おばちゃんに遭遇。ただ通じていないにもかかわらず「あ、こっちはおいしいわよー」的に話しかけてくるおばちゃんは、仲間内で騒ぎながら何の遠慮もなく割込んでくる他の中国人に比べれば可愛い方であった。

はにかんだ頬笑みを浮かべながら次の人にトングを譲ってるーと思うと日本人たちであり、ああ、日本の美徳は失われていなかったと思うのだった…

この日はホテルのスパで90分のマッサージ。足は濡れタオルでふくだけのシンプルさではあったけれどマッサージ自体はとても上手く疲れが取れた。

三日目

この日はアンコールワットの朝日を見るのに五時半起き。ついでプノンバケンの丘で遺跡を見て、地元の子供たちに「キャンデー持ってないの」とせがまれた。一つしかなかったので争奪戦になってもと、ないよーと誤魔化した。こんにちはの一つ覚えがご愛敬。

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ついでアンジーのトゥームレイダーの舞台になったタ・プローム寺院へ。6遺跡とそこからにょきにょきのびた大樹が不思議にマッチしてなんとも言えない雰囲気をかもしだている。しかしここでも一人10ポーズはとる中国人と、他人の背中にぴたりと張り付く韓国人の団体に押されっぱなしの我々。ついには「可愛い人しかポーズして写真とっちゃダメ」って法律作ったらどおーと物議を間違いなく醸すであろう禁句を口走る私であった・・・

この後、東洋のモナリザのあるバンテアクディへ。王の沐浴場、スランスランも。

ここでも知ったかおじさんと名付けた同ツアーのおじさんは南門ですよーと聞いたすぐあとから「北はどっちですか?」とブットさんに尋ねては我々を凍らせていた。

お昼は和食で焼きサバ定食だったのだが、ガイドさんの説明を全員が「焼きそば定食」と聞き間違えていたことが判明。暑さにも全く食欲の衰えない私。ぺろりと定食を食べ終え、なんなら焼きそばくらいならまだ食べれるけどなあ―と思いつつ。

東洋のモナリザ―じゃあ日本のモナリザね

バンテアスレイはかなり遺跡が痛んでいる個所が多くて倒れてくるのではと思わせる石の屋根があった。東洋のモナリザは、フランスの後に大臣にもなったアンドレ・マルローが国外に持ちだそうとして捕まったと言われるがそれで有名になったとか。

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日本のモナリザも負けないでーというブットさんの応援を受け、神秘的な頬笑みを浮かべて撮影する我々であった。

そして足つぼマッサージを二日連続で受けちゃったよ。

しかしKの担当者がまるで新人で、一番のベテランのわたしの担当者を見ては真似していたらしい。当然ながらへたくそで、前日受けたマッサージの快感がふっとんだという。気の毒だ。

かくいう私の担当者も強めにしてねーと言ったのが間違いか、股関節あたりのリンパをやたらぐいぐい押してくれ、元々右股関節が弱い私は翌日「あ゛あ゛、股関節があああ」という羽目になった。

夜はクメール料理のコースで、海苔のスープが韓国風で大変おいしく、おばさまたちが「これね、うちでもしけたノリでできるのよー」と盛り上がっていた。

四日目―あ、これがラピュタね。ベンメリア

最終日はガタガタ道を一時間半。思えばこの日は日曜日、それ故か、田舎道の脇でカンボジアの結婚式を8つくらいは目撃した。ピンクや黄色で飾り付けられた派手な会場が南国な景色に溶け込んでキッチュな可愛らしさ。

ベンメリアはかの宮崎駿の天空の城ラピュタのモデルというので人気が上昇中。

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かつては威容を誇っていただろう遺跡が朽ちて崩れ、そこに深い緑の影を落とす木々や、枯れ葉が地面を覆っている様。聞こえてくる鳥のさえずりは確かにラピュタというのもうなずける。王家の血を引く素朴な美少女が崩れた石段に座っていそうな雰囲気もある。

が、しかーしである。そんな厳かな雰囲気を台無しにするまたまた某国の人々が!!

某国づきのガイドは遺跡の前まで案内すると、中には入らないそうである。なぜって?誰も説明なんぞ聞かないかららしい。あーあー。

入ってはいけない場所、上っちゃいけない場所に行っては写真を取り、思うままに逆行すること度々。ラピュタというよりこれは・・・どうぶつえ・・いや、言わないでおきましょう・・・

ただここでは現地ガイドに荷物を持たせ、無理に遺跡に上らせてはげらげら笑って写真をとるという実に恥ずかしい日本の三人の馬鹿女もいて、礼を重んじる京女K、我々のツアーの知的な奥様方に「恥を知れ」と罵られていた・・・

わがふり直せと言えば…

まさに旅慣れた身という油断である。窃盗に備えていたから、またまた暑かったから、疲れていたから、と言い訳は多々あるが、カーゴパンツの両ポケットにカメラと携帯を突っこんだまま澄まして空港のチェックゲートを通り、関東からの若者の前でピンポンピンポンと二度も派手に引っかかっていた阿呆は私です。ああアホすぎて恥ずかしい。

そのアホ丸出しの私の姿にショックを受けたせいか、アメリカ在住歴も長く、同じく一人旅の達人のKちゃんまで、「あっパスポートがないっー」と慌てること数秒。トレイにいれたままかなーなどと。なんのことはないポケットに入っていたのですが。さんざん腹まきパスポートオヤジを馬鹿にしていた我々だがこんなことではねえ。まさに他人の振り見て我が振り直せである・・・お恥ずかしい。

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身体と心に気持ちのいい事が大好きな、自分に甘いO型人間。 映画は堅すぎるドキュメンタリーをのぞいて、こてこて恋愛物からホラーまでとりあえずなんでも食いついてみる系。