フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

FRENCH BLOOM NET 年末企画(1) 2013年のベストCD

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今年も始まりました恒例の年末企画。第1弾は2013年のベストCDです。今回はFBNのライター陣の他に、アーティストのサエキけんぞうさん、文芸評論家の陣野俊史さん、ヒップホップデュオの Small Circle of Friends さん、NHKフランス語講座でおなじみの國枝孝弘さん、さらに、マニアックなフランス語ツィートでおなじみの福井寧(@futsugopon)さん、今年仏プログレバンド Ange のコンサートを企画されたわたなべまさのりさん、雑誌『ふらんす』編集長 Mlle Amie さんにも参加していただきました。そして、急遽、もんじゅ君も参加してくれることになりました!

サエキけんぞう(アーティスト)

1.ダフトパンク Random Access Memories (2013)
■フランスから、このようなグローバルな音楽が出てくることが驚き。70年代リバイバルに一見、聞こえますが、明かに新しい発想をたたえてます。youtu.be/5NV6Rdv1a3I
2.トリヨ 愛と平和のリディム (2013)
■ついに発売になったトリヨ、来日公演も素晴らしかったです。新しいアンサンブルを創りだしてます。youtu.be/m_mtxUDYgmM
3.クロードフランソワ Génération Cloclo (Coffret 1 CD + 1 DVD) (12 mars 2012)
■今年は、日本でクロクロを沢山聴くことができました。がんばりました。これは、ライブCDとクリップDVDの2枚組で、かつ、ゲンスブール、アルディなどの写真コメント集ブックレットになっている超お得な企画盤!安い!(19€) 今でも沢山歌って、踊って愉しませてくれます!CLOCLO FOREVER! youtu.be/bMoY5rNBjwk
PROFILE:1980年ハルメンズでデビュー、86年パール兄弟で再デビュー、03年フランスで歌手デビュー、作詞家として、沢田研二他多数に提供、プロデューサーとしてセルジュ・ゲンスブール・トリビュートなど多数。最新刊『ロックの闘い 1965−1985

Random Access Memories愛と平和のリディムGeneration Cloclo

陣野俊史(文芸評論家)

■この一年を振り返って自分でも驚くことがあって、それは吃驚するくらいCDを買わなかったということ。だから、ベストな3枚を選んでくださいと言われても、たぶん俺にその資格はないんじゃないかな、と思う。じゃ、音楽を聴かなかったのか、と言われれば、そんなことはまったくなく、かなり聴いたつもりだけれど、それはいつもミックステープだったり、延々とつながっていく動画だったりした。なかで、ある程度まとまった音源として記憶しているのが、都築響一さんの『ヒップホップの詩人たち』(新潮社)だ。それって、本じゃないの?と思うなかれ。この中に出てくるラッパーたち田我流とか、NORIKIYO とか、鬼とか、志人とか、ほかにも大勢、インタビューに登場しているけれど、彼らの曲を集めた特設サイトがあって、それはよく聴いていた。いまも聴けるかどうかわからない。でもこの本に響き渡っている声たちを、読者は聴くことができたのだ。二つめは、まったく、何もかも違うけれど、ダフト・パンクの『ランダム・アクセス・メモリーズ』を挙げたい。年末に彼らの研究書を翻訳し出版したという手前味噌な事情も作用しているけれども、そんな事情を抜きにしても、今年前半、毎日、なぜか聴いていた。この「なぜか」ってところがダフト・パンクの力だと思う。正直、彼らの音楽が好きなのか、と言われれば、留保をつけたい気持ちもあるけれど、繰り返し繰り返し聴いたことは事実。好悪の感情を超えたところで、人を惹きつける何かがある。三枚目(しっかり、ここはCDになってるけど)は、フランスのラップから。IAM というフランスのラップのオリジネイターの新譜 『Arts Martiens』。このアルバムに収録されている Benkei et Minamoto はクセになる。微妙にベンケイとミナモト(それってヨシツネでしょ)の理解が歪んでいるところが、おかしい。ミュージック・ヴィデオは必見。
PROFILE:1961年、長崎生まれ。著書に『じゃがたら増補版』、訳書にヴィオレーヌ・シュッツ『ダフト・パンク: テクノ・ファンクのプリンスたち』がある。

Iam Arts Martiensヒップホップの詩人たちダフト・パンク: テクノ・ファンクのプリンスたち

Small Circle Of Friends

■フランスで育ち、パリを拠点に活動するビートメイカー。Onra。アジア産のレコードをサンプリングしてビートを作る『chino シリーズ』や、一昨年にリリースされた80′sディスコ、 ファンク、ブギーをサンプリングしてガッチリタイトに再構築した『Long Distance』でJay-Zからもチェックされるトッププロデューサーになりました。今年はCDのリリースはありませんでしたがsoundcloud に新しいトラックがいくつかアップされていました。相変わらず安心安定の21世紀ブギーサウンド。
soundcloud.com/onra
twitter.com/ONRAbeats
■アメリカ、ニュージャージー出身。現在はLA在住のビートメイカー。Knxwledge。ここ数年、自身の bandcamp にて毎月のようにリリースしている「ビートの洪水」に飽きるどころか、もう既に溺れています。インタヴューを読むと日々作るビートの数は現在ハードディスク15TB分(!)にものぼる そうで、自分の事を「ビート作らないといけない」強迫神経症(OCD)だと言っています。そんな「バンドキャンプラー」な彼ですが今年はカセットテープとアナログレコードのリリースがありました。
allcity.bandcamp.com/album/knxwledge-rap-jointz-vol-1
gloof.bandcamp.com/
knxwledge.tumblr.com/
Samiyam。アメリカ、デトロイト出身。フライングロータスとのネット上でのコラボレーションを通じて LA に移住。所謂、LA ビートシーンの象徴みたいな人。本人は 至って普通に作っているのだろうけど、誰にも似ていない、誰も真似出来ない、一言で言えば「トラエドコロのないビート」の数々。一昨年、フライングロータスのレーベル Brainfeeder から傑作アルバム『Sam Baker’s Album』をリリースしましたが、今年は Stone Throw のサイドレーベル「Leaving Records」からカセットアルバム『Wish You Are Here』をリリース。彼自身のラップも初お目見え。
www.stonesthrow.com/news/2013/10/samiyam-wish-you-were-here
twitter.com/SAMIYAMBEATS
PROFILE:サツキとアズマの二人組。1993年、福岡にてスタート。1998年より拠点を東京に移し、Small Circle of Friendsとして10枚のアルバムをリリース。10枚目のアルバムは2012年10月10日発売の『Superstar』。そして2013年12月、20thを迎える今年「スモサの20」と題して、様々なイベントを展開! www.scof75.com

LONG DISTANCESam Baker's Album (BFCD022)Superstar

MANCHOT AUBERGINE(FBNライター)

1. Racine Carée / Stromae 2. La nuit était douce comme la queue rousse du diable au sortir du bain /Nicolas Jules 3. Comme Dans un Garage / Didier Wampas
■今年フランスで一番売れたのはたぶん1.のストロマエ。ルワンダ人の父とベルギー人の母の間に生まれた、フランス語で歌うベルギー人歌手。何年か前にAlors on danseという曲で大ヒットを飛ばしたときは、相当怪しい一発屋キャラだったが、今年のシングル、アルバムの相次ぐ大ヒットで、いまやフランコフォン音楽界のスーパースターとなった。エレクトロなぞに全然興味のなかった私だが、今回の彼のアルバム「ラシーヌ・カレ(平方根)」には大いに感心した。曲やサウンドの良さ、音楽的な引き出しの多さ、歌手としての魅力などはもちろんのこと、自己や社会について、ときに真摯にときにユーモアを交えて語る歌詞もなかなかいい。ヒットシングルPapaoutai(パパウテ(=Papa,où t’es?=パパどこ?))のPVを紹介しておきます。父の不在がテーマの曲(彼の父はルワンダ大虐殺に巻き込まれて死んだ)。彼のヘンな存在感と圧倒的な魅力がおわかりいただけると思う。 youtu.be/oiKj0Z_Xnjc
■2.は、シンガーソングライター、ニコラ・ジュールのアルバム。息の長い活動をし、それなりの評価を受けてはいるが、メジャーな成功は収めていない。いかにも制作にお金をかけてないという感じのチープなギターサウンドに載せて、魅力ある独特の低音ヴォイスで風変わりな歌詞を歌う。以前から好きだったが、今回のアルバムはとくに楽曲の出来が良いと思う。興味がおありの向きはyoutubeなどでチェックを。とてもカッコイイ人です。youtu.be/aqus-8_ilOw
■3.は、長年勤めたパリ交通公団の職を辞し、「元」労働者パンクになってしまったディディエ・ヴァンパスのセカンドソロ。ロンドンのトー・ラグ・スタジオ(ホワイト・ストライプスが録音に使ったことで有名)でリアム・ワトソンLiam Watsonのプロデュースのもと制作された。前作よりもガツンと来る硬質なサウンドが印象的な作品だ。毒舌、ユーモア、自己諧謔の精神は相変わらず。オリヴィエ・メシアンOlivier Messiaenを讃える歌が入っているのにはびっくりした(この人、メシアンなんか好きなんだね!)。声も、昔のような高音の伸びはなくなったが、年齢を重ねて良い味出してる。Le Disco ça pue(「ディスコは臭い」――ディスコミュージックを延々と攻撃し続ける、いつもながらの罵詈雑言ソング)のPV見てみてください。ラオスのヴィエンチャンで撮ったという訳の分からん映像。youtu.be/aqus-8_ilOw

Racine CarreeLa Nuit Etait Douce Comme La Queue Rousse Du Diable Au SortirComme Dans Un Garage

福井寧(@futsugopon)

1.Sexy Sushi – Vous n’allez pas repartir les mains vides ?
■ナント出身のエレクトロクラッシュ男女デュオのセクシー寿司は、まるで演劇学生の悪ふざけのような悪趣味さが本領。シュトルンプフ(スマーフ)に扮したジャケットはあほくさいが、音楽的にはしっかりしています。実は結構ベテラン。悪ふざけ、パンク感覚、メランコリックさ、闇の深さが同居。ヴォーカルのレベッカ・ウォリアーことジュリア・ラノエは「シャンソン・プログレシーヴ」を標榜する女性デュオ、マンスフィールド TYAでも活動しています。youtu.be/GkprBmXED4o
2.Claire Diterzi – Le Salon des refuses
■90年代にトゥールを拠点に活動していた名プログレパンクグループ、フォルゲット・ミ・ノットのヴォーカリストだったクレール・ディテルジの最新ソロ作。ポップミュージックのアーティストとしては史上初めてヴィラ・メディシス(在ローマ・フランス・アカデミー)に滞在を許された 彼女が、その成果を記録した作品。ヴィオラ・ダ・ガンバ等の使用が印象的なチェンバーポップです。youtu.be/Y_aOn5pQO_I
3.La Femme – Psycho Tropical Berlin
■最近フランスでは80年代ニューウェーブ風の音のグループが増えているけれど、ラ・ファムはそのひとつ。ビアリッツ出身の男性二人組のユ ニットで、ほとんどの曲で女性ヴォーカルをフィーチャーしています。一昨年出たシングルのB52′s風のいかがわしいサーフサウンドのインパクトには及ばないが、ジャーマンロック的な感覚も垣間見られる興味深いデビューアルバムになりました。youtu.be/NwVA5zYfNWw
■ここではフランスものを3枚選びましたが、それ以外ではアウストラ、ザ・ナイフ、ゾラ・ジーザスなどをよく聴きました。 PROFILE:私はここ数年アフリカ方面で日仏通訳をやっています。来年からまた一年間出稼ぎに行ってまいりますよ! www.proz.com/profile/1317506

Vous N'allez Pas Repartir Les MainsLe Salon Des RefuseesPsycho Tropical Berlin

もんじゅ君(高速増殖炉)

あまちゃんサウンドトラック(大友良英ほか)
■買ってなんども聴いてしまいました。「みんなで毎日おなじお話を観た」という体験が楽しかったです。大友さんは2012年の終わりに会ったときにいきいきと熱を込めて『あまちゃん』のお話をされていたので、こんなふうに幅広く愛される作品になってほんとうにすばらしいと思います。
Remember Me(くるり)
■ミュージックビデオがすごいのでどうぞ観てみてください。いろんな絵の鉛筆の消し痕がうっすら残っているところ、前の絵を消すのに使った消しゴムのくずで次の絵ができていくところが、ああ時間の流れってこういうことかもしれない、と思わされます。youtu.be/jbYh4su2HGE
Alone Together(ジム・ホール・ロン・カーター・デュオ)
■名盤です。12月10日、ジム・ホールさんが逝去されました。ご冥福をお祈りします。1曲目の St. Thomas という曲がとても好きです。youtu.be/5t7aT38BVJE
PROFILE:福井県にすむ高速増殖炉。2011年の原発事故をきっかけに、みずからの危険性にめざめて情報発信を始める。わかりやすいニュース解説で人気に火がつき、ツイッターのフォロワーは10万人を超す。著書『おしえて! もんじゅ君』、代表曲『もんじゅ君音頭』など、原子炉でありながら文筆やイラストから楽曲までと、マルチに活躍中。

連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラックRemember me (15周年アニバーサリーボックス仕様 【シングルCD+オリジナルTシャツ+スペシャルグッズ】)Alone Together

國枝孝弘(元NHKフランス語講座講師)

Billy Bragg, Tooth & Nail
■ビリー・ブラッグを聞くのはほぼ30年ぶり。まるで高校を卒業をして音信不通だった友人に、白髪が交じるようになって久しぶりに再会したような気分だ。その間もずっと活動しつづけていたのに、こちらはまったく知らなかった。このアルバムはアメリカのルーツミュージックに現代的意匠を施すのに長けたジョー・ヘンリープロデュースのもと制作されたアルバム。社会派と言われたビリーだが、それは声がすくいあげられることのない市井の人々の暮らしを歌うことだった。それがここでは、他人への思いやり、愛、希望、別れ、死と普遍性を持って歌われている。だから、イギリス人でなくても、労働者でなくても、誰が聞いても心にビリーのしわがれた声が染み渡っていく。
Tété, Nu là-bas
■フランスからは、今年来日コンサートもあった Tété の新譜から。コンサートで歌った最新の自作は英語の歌詞だった。とにかくアメリカの音楽への造詣(というか、おたくというか)が深い Tété の今回のアルバムはモータウンがテーマ。しかし何よりもその歌詞の世界がこれまでとはまったく変わった。今までのアルバムもサウンド面では毎回変化があったが、テーマは言ってみれば常に「旅」だった。しかし今回は「私とルーツ」だ。アルバムの一曲で Tété はこう歌う。
Guitare au poing  ギターを握って
J’appris alors des bars du coin  ぼくは覚えた、街角のバーから
La corne aux doigts pas à l’égo  指には固いタコ でも心は固くなく
L’art de l’esquive et du chapeau  身をかわしたり、帽子にお金を入れてもらうこと
ここで歌われるのはまさにフランスで弾き語りを始めた頃の自分である。他の曲では、自分の母、父、祖父母、さらにはアメリカの黒人たちが歌われる。いずれも私との関係において。Tété は会ってみると、気さくで、人への気配りもあって、本当に sympa なヤツだが、その歌詞の世界はこれまで奇妙に捩じれて、複雑だった。それがこのアルバムではいたってシンプルな言葉遣いが見られる。ようやく等身大の自分を語りだした Tété をますます愛してやまない。youtu.be/AoBHA3QWSOY
Bloodthirsty butchers, Youth(青春)
■そして最後は、今年5月に亡くなった吉村秀樹のバンド Bloodthirsty Buthchers の新譜から。ノイズギターの轟音シャワーを浴びながら冥福を祈りたい。
PROFILE:元「テレビでフランス語」、「まいにちフランス語」担当講師。フランス文学・フランス語教育。少年期よりロック・ポップスの大ファン(Web参照)。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス教員。kunieda.sfc.keio.ac.jp

Tooth & Nail裸のままでyouth(青春)

わたなべまさのり(ビー・アンクール・ドットコム株式会社)

Arcade Fire: Reflektor Mystical Weapons: Mystical Weapons Tristan Decamps: Le Bruit Des Humains
■「アルバムというフォーマット、まだ要りますか?」‐録音された音楽を創り手側によって積極的にフリーで聴かせてもらえる事が珍しくなく、また、コンピレーション的なモノはリスナーが各自簡単につくってる今日、アルバムというフォーマットの可能性をどこまで引き出せるか/拡大できるかは以前にも増して創り手に問われてると思います。いや、今日音楽はそんなに大事にされてないのかな?
■そのミュージシャンの過去の最強作と勝負できる内容であることと現在アクティブであること、という篩にかけ、残った中からより強力なものを残し、その中からランダムに3枚選びました。
PROFILE:ANGEの初来日公演を企画制作させていただいたことが切っ掛けでこの2013年ベストアルバムにお誘いいただきましいた。確かに普段も音楽に自然に甲乙はつけていると思いますが改めて考えてみる機会をいただきとても楽しかったです。どうもありがとうございます。

ReflektorMystical Weapons

Mlle Amie(白水社『ふらんす』編集長)

1.Daughter 『The Wild Youth – EP』 (2011)
■2010年デビューの♀1♂2バンド。Elena のアンニュイ声、Igor のクールで繊細なギター、絶妙に差し込まれる Remi のドラム……あぁ、がさがさの心が癒される。英国のグループですので FBN ファンの皆さま向けに(?)無理やりフランスねたをぶち込むと、同 EP 収録の”Youth”は、Tour de France 2012 のイギリスにおけるTV放送時のイメージソング。また、フランスが世界に誇るエレクトロニックミュージックデュオ Daft Punk のヒット曲 “Get Lucky” の Daughter カヴァーは、ノリノリの本家とはひと味異なる魅惑のスローヴァージョンがいい感じ(Youtubeで聴けます。要チェック)。
2.Tryo 『LADILAFÉ』(2012) – 日本盤『愛と平和のリディム』 (2013)
■ことば遊びやシニカルな笑いを交えて、事の大小問わず我々をとりまく問題を軽みが心地よいメロディーに載せて歌い上げる♂4のフレンチレゲエバンド。何を隠そう、わたくし、フランス留学中の2001年からとにかく大好きでして、2013年の初来日(←個人的大事件!)時に、とうとう熱い想いを彼らに告白いたしました。ぽっ♡ 2014年も来日する予定だそう。イチオシのグループ。
3.Barbara 『Barbara Bobino 1967 (Live)』 (2007)
■キュートでユーモラス且つ硬派で女の哀愁があるバルバラのことを身近に感じられる一枚。日本語でいう「シャンソン」は個人的にちょっと苦手だけれど、バルバラだけは別格。

Wild Youth Ep [Analog]愛と平和のリディムBobino 1967

exquise(FBNライター)

■その年のロックフェスの出演者を見て、最近どんな人が活躍しているのかを知るというここ数年。疎いながらも毎年何かしら新しいアーティストを発見できることは嬉しい。
Shame Chamber – Kurt Vile
■フィラデルフィア出身・1980年生まれのシンガー・ソングライターの彼は、ソニック・ユースやダイナソーJr.のメンバーといった90年代のグランジ世代の支持を得て、遅咲きながらここ数年評価を高めているそうだ。今年出たこの5枚目のアルバムから初めて聴いたのだが、何でもない感じのギター・ソングなのに妙に記憶に残る音の連続だった。彼の声もまた独特で印象的。youtu.be/AQIQRLqzJY8
Still Sound – Tro Y Moi
■今年のフジロック出演者のPV特集をテレビで観ていたら、このアナログな映像とヴォーカルの彼の人懐っこそうなルックス(何でも昨年ユニクロのCMにも出ていたそうでそれは知らなんだ)とともに、このフワフワした音が脳内から離れなくなった。ちなみにこのアーティスト名はスペイン語(牛)とフランス語(私)を組み合わせたものだそう。youtu.be/0Gqh4e1S6j0
Let It Go – Jazzanova
■ドイツのDJ集団ジャザノヴァの存在は前から知っていたが、ポール・ランドルフをゲスト・シンガーに迎えて昨年発表した “Funkhouse Studio Sessions” は全体がこんなにカッコいいアルバムだったとは今年まで知らなかった。彼らも今年のフジロックに参加していたのだけど、野外で生パフォーマンス聴いてみたかったな〜。youtu.be/c2AeFOOdML0

Wakin on a Pretty DazeUnderneath the Pineファンクハウス・スタジオ・セッションズ

bird dog(FBNライター)

■今年はCDを割と多く買った年でした。アトランティック・レーベルの再発シリーズのなかでは、Sam Dees の『The Show Must Go On』が秀逸でした。Prefab Sproutのまさかの新作『Crimson / Red』は、前作よりも打ち込み臭さが減って、聞きやすかったです。佐野元春の新譜『Zooey』も年齢相応の充実した内容で、とくに「詩人の恋」が素晴らしい。ライムスターの『ダーティーサイエンス』は、制作に参加した Maki the Magic (@キエるマキュウ)の急逝のために、違った意味合いをもった作品になってしまいました。

ザ・ショウ・マスト・ゴー・オンCrimson / RedZOOEY

不知火検校(FBNライター)

パリ管弦楽団による来日公演
なけなしのお金をはたいて横浜にまで聴きに行きました(11月7日、横浜みなとみらいホール)。曲はサン・サーンス作曲『交響曲第三番「オルガン付き」』。始まった瞬間にパリのサル・プレイエルで聴いているのかと錯覚させられるほどの精緻で煌めくような弦の響き…。パリ管がこれほどの水準の演奏が出来るようになったのは、主席指揮者パーヴォ・ヤルヴィの類まれなる統率力のおかげでしょう。1989年のビシュコフの首席指揮者就任から2008年のエッシェンバッハ退任までの20年間、パリ管は迷走を続けてきたように思いますが、2010年にヤルヴィが首席に就任して以降、往年の実力を取り戻して来たように感じます。今後もパリ管の演奏は益々楽しみになってきました。

GOYAAKOD(FBNライター)

At Peace■部屋でぼーっとするときよくかけていたのが、マリ共和国の楽器、コラの奏者バラケ・シソコのアルバム、”At Peace”。フランスのレーベルからリリースされた、「今」の音楽だ。プロデューサーのヴァンサン・セガールのチェロとかけあう曲もあり、ワールドミュージックのカテゴリーを超える間口の広い一枚でもある。どの曲も一種独特な静謐さにあふれている。音数が少ないわけではなく、リズミカルと呼べる曲も少なくないのだけれど。普通の音楽のパッションが向かう方角と違う方角へ向かっているとでもいおうか。聞いていると、頭からきれいな水が体の中をとうとうと流れて行くような、そんな清々しい気分になる。youtu.be/rY-bZTWfNaw

cyberbloom(FRENCH BLOOM NET 管理人)

Daft Punk ‘Get lucky’
■5月に‘Get lucky’ を初めて聴いたとき、これは13年のビッグヒットになると確信した。私自身、ループ状態で聴き続け、iPod の再生回数ダントツの1位だった。ナイル・ロジャースのカッティングギターが懐かしくも心地よかった。またカバーやマッシュアップという形で無数の二次制作が youtube にアップされていった。まさにソーシャルメディア時代のヒット曲だ。文字通り、音だけでなく現象として、みんなを「能動的に」踊らせた。パリとヌイイ出身(ヴェルサイユではない)のふたりは、すべて計算通りと、ヘルメットの奥でほくそ笑んでいるのだろうか。
Indochine ‘College Boy’
■1981年結成の息の長い仏バンドだが、これまで全く興味が持てなかった。しかし今年出た新しいアルバム ”Black City Parade” のシングル曲 ’Memoria’ のひたすら夜の街を車で走るクリップとボーカルのニコラの枯れた感じが何となく気に入って、頻繁に聴いていたところに、第2弾シングル ’College Boy’ が出た。このクリップの暴力性がフランスで物議を醸していることをニュースで知った。フランスにも深刻なイジメが存在したのだ。クリップの主人公はゲイという設定だが、youtubeには些細な容姿のことでいじめられたとか、高校時代は地獄だったとか無数の書き込みがあった。クリップを撮ったのはカナダの若手監督グザヴィエ・ドラン。彼の映画「マイ・マザー」と「私はロランス」が今年日本で公開され、高い評価を受けた。http:/youtu.be/Rp5U5mdARgY
La Femme ‘Sur la planche’
■今年参加していただいた福井さんのツィートで知ったLa Femme だが、この曲は強烈だった。懐かしさといかがわしさの洪水に襲われ、痙攣的に頭を縦に振らされる感じ。仏の夏フェス、Rock en Seine でのライブが出色。ボーカルの女の子の狂おしいダンスが素敵すぎる。youtu.be/B81iYZUov7Q
■Phoenix (こちらがヴェルサイユ出身)も Rock en Seine に参加していたが、彼らの熱い演奏が印象的な ’Entertainment’ も今年のお気に入りだった。一方、その意味不明な韓国(&北朝鮮)風ビデオクリップが韓国人の顰蹙を買っていたことも思い出される。youtu.be/tBsRvthVhdw
■昔からアルバムのトータルなコンセプトを重要視していたが、最近は曲単位で DL して買うことが多くなった。自ら「ベストCD」と言いながら、全部曲単位で選んでごめんなさい。最後にひとつ。仏プログレバンドの大御所、アンジュが新しいアルバムを引っ提げて来日した。残念ながらライブには行けなかったが、誇大妄想的な世界は健在だった。

Black City ParadeBankrupt!Moyen-Age

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当サイト の管理人。大学でフランス語を教えています。
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