昨年秋に新しいアルバムをリリースしたルー・ドワイヨン。華奢な姿に似合わぬファニーでドスの利いた声で歌うロックな楽曲は、英語で歌われていることもあり、フランス国外の音楽好きからも注目を集めています。
ジェーン・バーキンの娘でシャルロット・ゲンズブールの妹という肩書のおかげもあって、ファッション・アイコンとしても世間の視線を浴び、カメラのフラッシュをあびる彼女が、日々の暮らしで大事にしているルールについて、ニューヨーク・タイムズとのインタビューで語っていたので一部をご紹介します。
とても丈の長い、たっぷりしたサンローランのコートを持っていて、そればかり着ている。飛行機の中って寒いしね。私は疲れやすい人で、疲れてくると寒く感じる。だから、中に何枚重ね着しても大丈夫なビッグデザインのものが好き。
エルメスの大判のスカーフは、レコード契約を結んだ日に買った。それまでエルメスのスカーフは一枚ももってなかった。走って買いに行ったな―エルメスのスカーフ、それは“印”なんだ、欲しい!って、今思うとはずかしいぐらいのいきおいで。ほとんど誰もそれと気がつかないほど折り畳んだり、体に巻き付けるようにして使っている。
旅するときにはジーンズやTシャツといったベーシックなアイテムしか持っていかないんだけど、これがまちがいのもと。目的地に着いたとたんに街じゅうの古着屋さんを見て回る。コンサートでは、会場のある街でそうやって調達した服を着て歌うの。
いつもレッド系のルージュを使うんだけれど、塗ったら手で押さえてオフする、これはママのテクニック。で、指についたルージュを、チークの代わりに頬にオンする。
ママがどんな遺伝子をくれたのか知らないけど、毎日チーズバーガーを2個から5個ほど食べている。それとタコスも。どこかへ行けばその土地のチーズバーガーを試してる。ルートビアも毎日飲んでる。ジンジャーエールもね。そして、夜はビールをたっぷり。朝目覚めたらこうした食生活のつけがまわってきた、なんてことになるんじゃないかと考えてはいるんだけど・・・。
いつも二つか三つのバッグを持ち歩いている。とにかく持っていくものが多くて、何が必要で何がいらないかなんて絶対決められない。だから、サンローランのとてもすてきなダッフルバッグのお世話になってます。とにかく大きくて、何でも入る。本なら何冊も、ダイアリーに絵を描くためのA4サイズの紙、マーカーとかもろもろ。ミニサイズのバッグは、問題外。
子供の頃、家族のスタイルがいやだった。だって、姉のシャルロットとケイト、パパのジャックと叔父さん達、セルジュとママ、みんなリーバイス501と白いTシャツ、例のコンバースのスニーカーという格好だったんだもの。がまんできなかった。だからクリスマスツリーみたいなにぎやかな着こなしになった。フランス流カジュアルシックっていうのがダメなのね。もっとイかれた感じでありたい。
ファッションはまず自分自身のためのものだと昔から思っている。だから私にとってのファッションアイコンはこの二人。ドキュメンタリー映画『グレイ・ガーデン』に登場するリトル・エディ。そしてケイト・モス―私の世代みんながそうだけれど、影響を受けた。大きすぎたり、小さすぎる服に、大きめのソックスを合わせたり。みんなに「ケイトってオシャレ」と思わせるだけじゃなく、自分なりに着こなしてみたくなるようおしゃれ心をくすぐってくれた。ケイトのスタイルに釘付けだった。人をその気にさせるか、げらげら笑わせたいといつも思っている。オシャレと思われたいって気持ちにはならない。
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