気がつけば2014年も晩夏。溜まる一方の録画、HDの残量との戦い…見るべきか消去すべきか…葛藤の日々。昨年見たのはどのアニメだったのかすでに記憶が曖昧、という残念な状態ですが、整理がてら振り返ってみたいと思います。
まずは絶対にこれ、『進撃の巨人』! 実写映画も決定した超人気漫画が原作で、もうとてつもなく面白い。「巨人と人類との戦い」という知識だけで見た第一話で背筋が凍るほどの恐怖を感じ、心を鷲掴みされる結果に。原作は未完でアニメも物語半ばで終了したけれど、とにかく見応えがありました。紅白でも歌われたOPは歌と映像共に最高なクオリティー。録画鑑賞でもOPは必ず見て高揚感を味わい、時にはOPだけを繰り返し見てしまったり。声優陣の熱演も素晴らしい。
この作品で感じる恐怖や残酷さは、物語の柱としてきっちりと意味が感じられるものであったと思う。昨今の深夜アニメでは暴力や残酷シーンがこれでもかと繰り出され、ちょっとやそっとの描写ではもはや驚かない。例えば幼女のような容姿の戦士キャラがお腹を蹴飛ばされたり武器で体が貫かれても、「絵だからな~」ぐらいにしか思わなくなってしまった。が、いくら娯楽要素としての暴力描写だとわかっていても気分はあまり良くない。視聴者の関心を引くためにショッキングな描写を多用するのは、安易すぎる。けれどもこの作品の残酷さは、テーマとして消化されたうえで娯楽に昇華していると思う。さすがに乳幼児には見せられないけれど、全国民必見!と叫びたい。親子愛や友情、人類愛などのドラマを織り込みつつ、戦闘場面でハラハラドキドキさせてくれる何よりも最高の娯楽作品。
原作付きの作品が多いなか、オリジナルアニメである『翠星のガルガンティア』が健闘。それもそのはず、マギカを手がけた虚淵玄がシリーズ構成を担当しているのだ。あらすじをamazonから引用させてもらうと…
遠い未来、遥か銀河の果て。種の存続を賭けた死闘を繰り広げる、『人類銀河同盟』と異形の怪生命体『ヒディアーズ』。戦いのさなか、同盟の少年兵『レド』は、支援AI搭載型の人型機動兵器『チェインバー』とともに時空のひずみへと呑み込まれてしまう。人工冬眠から目覚めたレドは、そこが表面のほとんどを海に覆われた人類発祥の星地球であることを知る。初めて目にする大海原と、旧文明の遺物をサルベージして形成された、人口数万にも上る巨大船団『ガルガンティア』。 地球に暮らす人々にとって、レドはまったくの異邦人だった。未知の環境へと投げ込まれたレドは、チェインバーとともに生き残りの道を模索してゆく。
第一話を見て、あぁよくあるロボットと宇宙怪物の戦闘モノか~と落胆したが、何やら予感がして第二話を鑑賞し、ビックリ。全く異なる世界観が展開し、良い意味で予想を裏切られた。「ガルガンティア」の描写や衣装はどこか昭和風味で古臭く感じられたが、それもおそらくはこのアニメの持ち味のひとつ。「異邦人」であるレドは少し垢抜けていて、相棒のチェインバーはカッコよくデザインされており、ふたりのやりとりは軽妙で愉快。テーマは多岐に渡っておりやや詰め込みすぎた感もあるが、説教臭さはそれほど強くないと思う。個人的にはこれは『猿の惑星』ではないか、と思った。ぜひ家族全員揃ってお茶の間で見てほしい作品。
こちらもオリジナル作品の『キルラキル』。荒唐無稽な学園バトルもので、とにかく勢いあり。昭和アニメのような作画と無駄に高いテンションは好みが分かれるところだが、バカバカしさを真面目に極めるノリは楽しい。第一期のエンディング曲が秀逸で(昭和ポップスを思わせる爽やかな楽曲)、個人的には子供時代に見た『ドラゴンボール』からの「ロマンティックあげるよ」の流れを思い出してせつない気分に。激しいバトル描写を見た後の明るい楽曲は、ほっとすると共になんだか脱力する不思議な感じがしたものだ。作中のセクシーすぎる戦闘衣装には若干引いてしまうけれど、マコちゃんのトンチンカンな言動に大笑いしたり、家族ドラマにほろりとさせられたり…やりすぎ感満載のなか、笑いや感動のツボは意外にシンプル。
同じくオリジナルアニメの『Free!』。舞台は水泳部、イケメン揃いのキャラクターに人気声優勢揃いという構図がわかりやすすぎないか、安易には嵌らないぞ、と見始めましたがこれが意外に良いのです。水泳のシーンは美しく、鮮やか。ほどほどの葛藤や衝突ありのドラマ。気軽に楽しめて、お勧め。ただいま第2期が放映中。
ライトノベル原作『とある魔術の禁書目録』のスピンオフで、第2シーズン作品『とある科学の超電磁砲S』。本編は挫折、第1シーズンも未見なのになぜかこれは最後まで鑑賞できました。キャラデザインは清潔感があってキュート、浮遊感あるサイキックバトルシーンはかっこよし。何よりクールなようでいて正義感溢れる主人公のキャラクターが魅力的で、脇役たちも賑やかでかわいらしい。
御存じ森見登美彦原作の『有頂天家族』。間違いなく良作と呼べる、万人にお勧めできるアニメ。『四畳半神話大系』も素晴らしかったし、森見作品とアニメの相性の良さを再確認。京都のロケーションが楽しく、レトロでファンタジックな世界観と人情ドラマの融合が心地よい。いわゆるオタク系アニメが苦手な人はぜひこちらを。
一方、こちらの『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』。いかにも今風ライトノベルなタイトルからして逃げ出したくなるけれど、なかなかどうして、予想外に楽しめる快作。こういう作品があるから偏見なしにチェックし続けなきゃいけないのだなぁ。それぞれ難を抱える高校生たちの青春ドラマで、ノリだけじゃない、きちんと心情を感じられる楽しくもセンス良い展開。ヒロインを演じるのは超人気声優の早見沙織で、彼女の演技はいつも素敵だけれど、特にこの作品では冴えていたように思う。
やっぱり見逃せない、西尾維新原作の<物語>シリーズ、セカンドシーズン。原作は未読のままアニメだけ見続けているけれど、個人的には今回の方が楽しめた気がする。相変わらずの会話の洪水と濃すぎる世界観、でもキャラクター達の心情に無理なく寄り添えた。それにしても「恋物語」のOPは最高!センスいっぱいの遊び心に、視聴する喜びが素直に湧き出てきた。いつか時間があればもう一度見たい、と思わせてくれる本当に濃密な作品。
決して公言できないけれど、やっぱり大好き『よんでますよ、アザゼルさん。Z』。お下劣極まりないエログロなブラックコメディ。頭を空っぽにしたい時に見れば、ストレスがふっとぶ面白さ。最高!
投稿者:cespetitsriens
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