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黒カナリアのぶらりミラノ一人旅 (2)

今回は日程が限られていてしかも最終日前日に友人がスイスとスペインから会いに来てくれることになったので、あまりうろうろする時間がなかった。それでも行こうと思っていたのがトリノである。そうあの荒川静香が金を取った、冬の五輪が行われた都である。方向音痴には難解なミラノに比べると碁盤の目に仕切られた整然としたトリノは観光客も少なく落ち着いた大人の街だ。

大人のトリノ

駅からまっすぐ中央の大通りを進むとかつてのサヴォイア王家の宮殿が右と正面に二つもあり(写真1)、右側のマダマ宮は現在は美術館として公開中である。たとえば小さな飾り皿一つでも手放したらすごい大金で売れそうなお宝満載で、つくづくイタリアっていいもん持ってはるーと思ってしまう。二年前に訪れたアイルランド(英国に吸い上げられてお宝らしきものは何もなし。至宝はケルズの書という本!でも詩人とか小説家とか人材は豊富)と比べると、あまりに豊かな過去の遺産を持つ国である。むろんファッションや車、デザイン、バイオリンなどでは今でも職人の国イタリアだが、世界中から人々がここに来る理由は全て過去にある。

トリノでは奮発して地元のレストランでリゾットと色々なシーフードのグリル(写真2)を楽しんだ。すごく混んでいて出てくるのにかなり時間はかかったけれど味は美味しかった。

何度となく今回の旅でコーヒーを飲んだ中、王宮近くのカフェでは唯一、紙レースのコースターを敷いたガス入りのミネラルウォーターを最初に出してくれ、その後美味しいマッキャートを淹れてくれた。バリスタも物腰柔らかで大変居心地がよい。街を歩いていると目が合う人々がにっこりしてくれる。愛想良くすると男性はついてきちゃう(本当です)ので適当にしなければならないが大変感じのよい街だった。できれば何泊かしたかったなあ。

ミラノ最先端スポット?

というのでぶらついてみたドゥオモより北、ガリバルディ駅より徒歩5分のコルソ・コモあたり。確かに小さいけれどお洒落なブティックや、今日本でもはやりの、本屋なんだけどインテリアもあるーみたいなお店(写真3)があって面白いことは面白い。学生旅行なのか日本の女の子二人連れもガイドブック片手に最新スポットチェックに来ていたようです。日本のガイドブックってすごいね。

この日はそこでショーか何かをやっていて美形モデルがカメラクルーと一緒に店の前にたまっていた。何も起きそうにないのでもう少し足を伸ばしてぶらぶらしていると謎な日本料理屋や、素敵なホテルを発見。 実はこれ、モ○キーノのデザイナーズホテルだったのだが、立ち寄ってホテルのパンフあるかしら、と綺麗な英語のリセプショニストに聞くと一冊の綺麗な写真集みたいなものを気前よくくれた。

感じが良いので外の素敵なテラスで暑いからアイスティでもと頼んだら、まさに水に色をつけただけ、みたいなアイスティが出てきて、やはりいくらデザイナーズホテルのカフェといえどもイギリス以外のヨーロッパで紅茶は飲んだらあきまへんなあと再確認させられた。フランスでは必ずと言っていいほどネスカフェのピーチティが出てきたし・・・私でもこれより旨い紅茶いれられるよ! しかも5ユーロって! どんな高そうなバルでもコーヒーは1または1.5ユーロでしかも美味しいことを考えるとあまりにも法外な値段である。場所代かしらんけど、5ユーロとってこんな紅茶出したらアカーン。

気を取り直して運河に屋台などが出て素敵というもう一方の最先端スポット、学生も多いという南のナヴィリオ地区)に行ってみた。基本的に水辺に行くとテンションあがるしと思いつつ。しかし昼間だったせいか閑散として水は汚いし、どうも最先端過ぎたようで… しかしここへきて人に道を尋ねてばかりの私が地下鉄で道というか駅を若い女の子に尋ねられた。ドゥオモから二駅先の「トゥラティ」―に行きたかったようで、しかし私に道を聞かないでよ。まあ路線地図をポケットに入れてたから教えてあげられたけどさ。おそらく一人で地下鉄乗ってるし、この辺りで働いている中国人かなにかと思われたようだ。確かに日本人観光客はドゥオモとガッレリアと「最後の晩餐」を旗持ったガイドに先導されて見学したら後はバスに乗って行っちゃうもんね。一人で地下鉄乗ってふらふらしていないわな。でも今回も中国パワーでほとんどアジアの団体客は中国人だった。2005年にフィレンツェにいた時は韓国人と日本人旅行者はいたけれど中国人は移民しかいなかったもの。

結局最先端よりも昔ながらのブレラ絵画館とかアンブロジアーナ絵画館といった美術館が、晩餐以外にも見所だった。ちょうどこのときはダ・ヴィンチ展で、天才手描きのヘリの設計図とか鳥の翼の仕組みなど展示していてとても面白かった。ブレラ地区にはお洒落ブティックもレストランやカフェもありぶらぶら見ているだけでも楽しいしとても落ち着くのでオススメ。



posted date: 2011/Sep/27 / category: バカンス・旅行

身体と心に気持ちのいい事が大好きな、自分に甘いO型人間。 映画は堅すぎるドキュメンタリーをのぞいて、こてこて恋愛物からホラーまでとりあえずなんでも食いついてみる系。

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