フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

ヴェリブの次はオートリブ―車をめぐるフランスのエコな動向

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パリ市のベルトラン・ドラノエ市長は2007年、「市内の自動車交通量を2020年までに01年の40%に減らす」と公約した。パリは車の渋滞や排ガスによる大気汚染が深刻だが、まずパリ市は07年に市内各地にある駐輪ステーションに自由に乗り捨てられる自転車レンタル制度を導入。駐輪ステーションは1800 か所にまで増え、利用件数も1億回を超えた。夏のヴァカンス期間には多くの観光客がヴェリブを使っているのを見かけたし、メトロやバスを使わずにヴェリブだけで済ませているという友だちも何人かいる(30分以内に移動すれば料金はかからない)。

そのヴェリブ velo+libre の電気自動車(EV)版「オートリブ auto+libre 」が、パリとその近郊で今年末にもスタートする。自転車で成功したシステムを自動車に応用するために、パリ市と約30キロ圏内にある約40の自治体が共同で計画を進めてきた。路上や地下の約1000か所(パリ市内は約700か所)に、EVへの充電ができるステーションを設け、ヴェリブと同じように好きなステーションで乗り、車を返せるシステム。利用者は月額12ユーロ(約1250円)の会費を払ってユーザー登録し、車を使う際は30分ごとに5ユーロの使用料を払う。最初のうちは数百台を配備し、来年中に3000台に増やす。各ステーションには4から10台分の駐車スペースを作り、車の管理やステーションの運営は民間委託する。レンタカーや賃貸駐車場業者らは営業妨害だとしてオートリブ計画の差し止めを求めたが、パリ市は8月にステーション建設工事を開始し、今秋にシステムの運用試験を行う計画だ。まさに政治的な決断と言える。

www.autolib.fr/autolib/

同時にヨーロッパ全体でエコ車優遇の都市政策が進められている。そのひとつに「低排出ゾーン」と呼ばれる政策があり、欧州の排気汚染基準が甘かった97年以前に造られた乗用車の都市の中心部への乗り入れを制限もしくは禁止する。ヨーロッパのどの都市も交通渋滞と大気汚染に悩んでおり、フランスのコシウスコ=モリゼ環境相も「都市中心部の未来は小型自動車と電気自動車にかかっている」と発言している。

またフランスや欧州では covoiturage という相乗りシステムも人気のようだ。一台の車を複数で共有するという話ではない。ヒッチハイクのように他人の車に乗せてもらうのだが、道端に立って車を拾うのではなく、ネット上で出発地と到着地、日時を入力して相手を探す。遠くの町まで出かける予定のある人は、値段を提示して同乗者を募る。ベストマッチのためのネット活用だ。これも経済的で環境にもやさしいと、若者のあいだでブームになっている。アイスランドで火山の噴火があったとき、交通機関が大混乱したことがきっかけで利用者が急増した。90年代後半にパリで大規模なストライキがあったとき、学生たちがよくヒッチハイクで大学に通っていたことを思い出す。ヨーロッパの公共交通機関は当てにならないことが多々あるのだ。フランスの相乗りシステムは今年の5月には登録者が100万人を超え、毎月TGV500本分の利用者があるという。

www.covoiturage.fr/

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