フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

どうしてフランスがイスラム国のメインターゲットになるのか?

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「フランスおよびフランスと同じ道をたどるものは、イスラム国のメインターゲットになると覚悟を決めねばならない」
金曜日の襲撃は自ら手を下したものだと公式声明を出したテロ組織の言葉は明快だ。フランスがターゲット中のターゲットということだ。マルク・トレヴィディック判事が10月初めころから指摘していたように、どういう理由で我が国が「明々白々なナンバーワンの敵」になるのだろうか? いくつかその答えを考えてみよう。

外交的側面

フランスは2014年9月から、イラク国内のテロ組織と戦う有志連合国の一員としてイスラム国への軍事介入を開始した。「ムスリムではない欧米人を殺せるのなら、とりわけ悪辣で薄汚いフランス人なら、どんな手段を使ってもいいから殺せ」。音声メッセージですでにイスラム国のスポークスマンはこのように述べていた。そして、失敗に終わった高速列車タリスでの襲撃事件以降、「シャンマル作戦(訳者註:2014年に開始されたフランス軍によるイスラム国掃討作戦)」はシリアにまで範囲を広げ、ラッカにあるトレーニングキャンプや外国人戦闘員の施設、石油施設などの空爆をおこなった。

土曜日のイスラム国による公式声明において、「十字軍の先頭に立ち、航空機によってカリフの国の地のイスラム教徒を空爆」しているとしてフランスを非難している。バタクラン襲撃時に現場にいた目撃者によると、テロリストたちは「はっきり」と「オランドが間違っている、おまえたちの大統領が間違っているんだ。シリアには介入すべきじゃない」と口にしていた。

そのうえフランスは他の地域でも対外軍事作戦を展開している。とくにモーリタニア、マリ、ニジェール、チャド、ブルキナファソといったサヘル(註:アフリカのセネガルからチャドにかけての)地域における「バルハン作戦(註:サヘル地域におけるイスラム過激派掃討作戦)」などでは、ボコハラムやアクミといった組織と戦闘状態にある。「ヨーロッパにおけるフランスの影響力も考慮すべきである。影響力のある国を叩くのがより効果的だからだ」と、アラブ諸国についてのコンサルタント業務に携わるアントワーヌ・バスブース氏は語る。

一番影響の大きいのはフランスの政教分離

「イスラム国による声明で「淫売と悪徳の首都」という言及があります。さらにその政教分離政策において、神を拒絶するフランスは彼らにとって異教徒の国であり、ゆえに敵となるのです」とバスブース氏は付け加える。この政治学者からすれば、「テロリストたちがスタジアムやバタクラン劇場、アルコールを提供するレストランを狙ったのは、その対象が罵倒すべきフランスの文化モデルそのものだからです」

さらにこの専門家は、声明における預言者への「侮辱」とはまさしくシャルリ―エブドや他の雑誌によるムハンマドの風刺画のことを踏まえていることは明白だと説明する。

イスラム国に参加するフランス人たち

「イスラム国に参加する人々がもっとも多いヨーロッパの国はフランスなのです」と Inrocks 誌のダヴィド・トンソン氏は注意を促す。「フランス内務省によると、現在900人以上のフランス人がイラクやシリアにおけるジハードに参加しているのです。中東での戦闘行為に参加する者もいるでしょうが、生まれた国に帰って襲撃をする者もいる。テロリスト組織のヒエラルキーの頂点に、重要なポストを占めているフランス人が何十人もいて、そのうち3人は司令官の役割をしているだけになおさらです」とトンソン氏はいう。

「多くのフランス人メンバーが関わっていることは間違いありません。ましてや金曜日のイベントの予定(註:バタクランのこと)とその場所を知るためには、事件の起きた場所の土地勘があって、フランス社会の中にこっそり身をひそめることができる者たちが必要だったのですから」とバスブース氏は断言する。

この文は下記の記事を翻訳し、注釈したものです。

Attentats de Paris: Pourquoi la France est-elle la principale cible de Daesh?
15.11.2015
20 minutes

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専門はフランス思想ですが、いまは休業中。大阪の大学でフランス語教師をしています。

小さいころからサッカーをやってきました。が、大学のとき、試合で一生もんの怪我をしたせいでサッカーは諦めて、いまは地元のソフトボールと野球のチームに入って地味にスポーツを続けています。