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ニューヨークでフランス語教育熱が高まる

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ニューヨークの公立学校でフランス語がブームになっている。どうやらアフリカの人口爆発と経済成長を見据え、親たちが学校にプレッシャーをかけているらしい。2010年、フランス語を話す人々は2億2000万人(世界人口70億人の3%)だったが、2050年には7億人(世界人口91億人の8%)に達すると言われる。もともとアメリカの上流階級には「フランス式」や「フランス女性」に対する憧れが強かったが、これを機にフランス語だけでなく、フランス文化に対する関心も強まっているようだ。

以下はFRANCE 24、11月28日掲載の ’ New York, where French school is free – and fought over’ の訳である(一部省略)。

あなたが子供にフランス語を話せるようにしたい場合は、ニューヨークの学校に彼らを送り込むとよいだろう。もし親たちが、お金を払わずに、子供たちに卒業時に英語と同じくらい流暢にフランス語を話せるように望むなら、今や10校の公立学校を選ぶことができる。2006年はゼロだった。この傾向は、バイリンガル教育に対する広い需要を反映し、NYの子どもたちの教育方法を変えつつある。10人に1人以上の子どもが公立学校で2つの言語を教わっている。子どもたちが将来バイリンガルになれるように、親たちは2か国語教育のプログラム普及のためのロビー活動を続けている。

当然のことながら、ニューヨーカーの4人に1人が話すスペイン語が最も人気のある第二言語だ。しかし、子供たちはまた、北京語、ロシア語、日本語、アラビア語、イタリア語、韓国語、ベンガル語、さらにはハイチクレオール語で、光合成と代数について学ぶことができる。利益の面も否定できない。自由に旅行し、世界中に友だちを作る機会を別にすると、複数の言語を流暢に話す人々は、ひとつの言語しか話せない同国人よりも、仕事において有利であると考えられ、より高い賃金を手にする可能性が高い。二つの言語を学ぶことは、内的な葛藤を解決し、マルチタスクをするための脳の能力をも発展させ、最近ではアルツハイマーの発症を遅らせることが証明されている。

多くのニューヨークの親たちにとって、この問題は大きく干渉するに値することだ。ヨーロッパでは違って、アメリカ人の両親は子供の教育に対して相当な影響力を持っている。ニューヨークの2か国語教育のプログラムのほとんどは、親たちからの圧力によってもたらされた。

ヴィルジル・ド・ヴォルデールはアッパーウエストサイドで La Petite École という「フレンチイマージョン幼稚園」を運営している。「バイリンガルは家族のコミットメントにかかっています」と彼は言う。ヴィルジル・ド・ヴォルデールはアッパーウエストサイドに住むフランス人の美術商である。2008年に彼の子供たちの地元の高校に働きかけて、2か国語教育を採用させた。彼はそのプロセスを説明するが、それは誰の目から見ても長い戦いで、彼が人生の中で行った最も驚くべきことだった。

「それは私たちが親としてアメリカでどこのくらいの力を持っているのか示すものです。それは決してフランスで起りえないでしょう。それは信じられない賜りものです」と彼は言った。アメリカの学校運営に対する自由裁量的な態度を利用しようとしているのは親たちだけでない。2か国語教育とそれを可能にする開かれた環境の最も熱心な支持者のひとりはフランス政府である。フランス大使館の文化部門は、フランス語 – 英語プログラムの拡大を促すために280万ドルを調達する使命を持っている。外務省と教育省、フランスの上院と下院は、このプロジェクトに数十万ドルに達すると思われる額の補助金や基金をつぎ込んだ。

早い時期から息子たちを「フランス式」に育てようとしていたド・ヴォルデールは、学校に入る前から彼らのためにフランス語を話す環境を求めていたが、それを見つけることができなかった。しかし彼は他の多くの親たちが同じことを求めていることに気がついた。2005年に2歳から5歳までの子供たちのための、彼が「フレンチ・イマ―ジョン・プリスクール」と呼ぶLa Petite Écoleを開いた。彼らの息子たちは今は大きくなり、マンハッタンにあるフランス語を教える別の学校にそれぞれ通っている。

ド・ヴォルデールにとって、2か国語を教える学校は、何も言葉の問題だけではない。「私たちはフランス的な環境を維持しようとしました。例えば、一緒に座って食事を楽しむことなどです」。彼はFRANCE 24のスタッフが訪れたときそう語った。「子供は大きくなればなるほど、アメリカ文化にさらされます。その影響はとても強いものです」

La Petite École に子供を通わせる親の多くは、フランス語で優位に立つために年間2万2千ドル支払う。彼らはフランスとは何の結びつきもなく、子供たちには英語やスペイン語や北京語やヘブライ語など、それぞれの母国語で話しかけている。しかしに彼には共通物がある。「彼らはフランス好きで、フランスの国と言葉にリアルな愛着を持っているのです」。その愛着はニューヨークに深く広く広がっている。

ニューヨークで、自宅でフランス語を話す人たちは1%未満にすぎないが、フランス語はそれと不釣り合いに人気があり、敬意さえ持たれている。フランス語は長いあいだ英語に対して共通語としての地位を長いあいだ失っていたが、(スペイン語、中国語、アラビア語と並んで)競争力を取り戻していると認識されている。3月にリリースされた研究では、2050年までに世界で最も話される言葉になる可能性が予測された。大きな理由は、フランス語を話すアフリカ人の人口が増加するからだ。

「子供たちのためにグローバル経済の未来を見据えている親たちは、世界の多くの国々がフランス語を話し、多くのビジネスがフランス語で行われることになると気がついているのだと思います」

スペイン語とフランス語の両方を第2言語として教えているブルックリンのパーク・スロープの公立学校に子供たちを入学させることを手助けしているジェシー・ベイカーは、FRANCE 24に語ったとこによると、フランス語に対する需要はとても大きく、数か月の子供の親にまで相談を受けたと言う。「最初は子供に自分と同じようにフランス語を話せるようにしたいと望むフランス語を話す親たちでした。今はアメリカ人の親たちなのです。彼らの何人かはフランスのすべてに狂っているのです」

New York, where French school is free – and fought over
FRANCE 24
2014-11-28

 

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