フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

Nouvelle Vague – フランス発、ボサノバ・アレンジのニューウェーヴ・カバー

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Youtube で音楽サーフィンをやっていると、ときどき思いがけないものに出会う。Nouvelle Vague もそのひとつだ。とりわけ、Joy Division / Love Will Tear Us Apart やエコバニの The killing Moon のボサノバ・カバーの新鮮さに絶句した。

目下のお気に入りは、The Lords Of The New Church / Dance With Me のカバー。原曲は80年代初めの、今聴くと微笑ましいくらいベタなニューウェーブだが、メラニー・パン Mélanie Pain のキュートなボーカルがメロディの良さを引き立たせる。同時に ’Show me secret sins ♪ Love can be like bondage ♪ ’ なんて80年代独特の歌詞のトンガリ具合とのミスマッチも面白い。

「ヌヴェル・ヴァーグ」はフランスのマルチな楽器奏者でありプロデューサーの、マーク・コリンズ Marc Collin とオリビエ・リボー Olivier Libaux が率いるフレンチ・エレクトロニカのプロジェクト。その名は英語で「ニューウェーブ New Wave 」、ポルトガル語では「ボサノヴァ bossa nova 」になる。ジャンリュック・ゴダールに象徴される60年代の「ヌヴェル・ヴァーグ」のフランスらしさと芸術性、そして彼らがカバーしている70年代半ばから80年代の初めにかけてのパンクやポストパンク、あるいは「ニューウェーブ」のイギリス的陰鬱さと美意識、そして曲に施されている60年代ブラジルの「ボサノバ」スタイルの軽やかなアレンジ。これらの相反する3つの軸が見事に共振している。

このプロジェクトには多くのフランスのアーティストたちが参加している。その一部は”Renouveau de la chanson Française”(フランスのシャンソンの復活)と呼ばれているらしい。例えば2010年に出たアルバムには、マレーヴァ・ガランテール Mareva Galanter、カミーユ・ダルメ Camille Dalmais、先のメラニー・パンなどが参加している。 「ヌヴェル・ヴァーグ」は2004年から始動しているが、すでに関連アルバムは10枚近く出ている。これまでアルバムが世界で8万枚売れ、コンサートの多くはソールドアウト。バリバリの80年世代ならアルバムの曲のリストを見ているだけでも楽しめるだろう。オシャレかつ洗練された深みを持つ曲ばかりが揃う。ヨーロッパでCMや映画やドラマの挿入曲としてひっぱりだこなのもうなづける。中でもニューウェーブの金字塔とも言える Bauhaus / Bela Lugosi’s Dead のカバー(この曲に関してはゴシック色が残っている)が2007年の映画『エルビスとアナベル』の始まりに使われた。

★聞き比べ
■Dance with me youtu.be/vH7jMgRt6CU
□Dance with me youtu.be/06CYw1isT2Y
■The Killing Moon youtu.be/5ywiPKmheec
□The Killing Moon youtu.be/aX1PwkgwsG0
■Love Will Tear Us Apart www.youtu.be/8oWO7Om17v0
□Love Will Tear Us Apart www.youtu.be/qHYOXyy1ToI

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