フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

今月の一曲 “Christine” Christine and the Queens (2015)

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久しぶりに心底「カッコよろし」と思えるPVに出会ったのでご紹介を(昨年のベストCDにチョイスされていた有名アーティストを今頃取り上げるの?という声も少なからず聞こえてきそうですが…)。

Cnristine and the Queens はナント出身、27才のシンガー/ソングライターであるエロイーズ・ルティシエの一人バンドです。国立学校で本格的に勉強した演劇オタクのエロイーズを音楽へ誘ったのは、ナイトクラブでパフォーマンスをしている「歌う」ドラッグ・クィーンのおねえさん達。2010年、失恋やらあれやこれで逃れるようにロンドンにやってきた彼女に、歌う事を、踊る事を、音楽で表現する事を勧めてくれたのです。新たな自分を発見したエロイーズは、Christine というキャラクターを演じ、歌い踊るプロジェクトを立ち上げます―ドラッグ・クィーンの友人たちを彼女を支える Queens として巻き込んで。Christine and the Queens の始まりでした。

母国フランスでは熱狂的に受け入れられリリースした曲も大ヒット。また、マドンナを筆頭に、ロード、マーク・ロンソンといった旬の業界人からの熱い支持を既に得ているエロイーズ。今年は小規模な会場ながらアメリカ各地で公演し、フランス発の新しい才能としてメディアでも取り上げられつつあります。

音の作りから振り付けに至るまで、かの白手袋の故マイケルJ氏の影響がはっきり感じられますが、オマージュというよりも血肉にした上でより透明な、軽やかなものに昇華させた、といえるかも。英語でも歌っていますが、はっきりいって何語で歌われているかを忘れてしまうくらい音楽として聴かせます。一極東の一リスナーとしては、フランス語だからこそ成り立つかっこよさにも心惹かれます。例えば、さりげなく挟み込まれるウィスバー系のフランス語ラップ。英語にはない語感が快・感。

PV自体も、彼女の才能を披露するショーケースというより立派な映像作品として楽しめます。ごくシンプルながら考え抜かれたセットで繰り広げられる、繊細で意表をつくダンスは圧巻。色使い、動きの見せ方とヴィジュアル面のどれも隅々まで美意識が感じられます。フランスらしい、フランスからしか現れない、掛け値なしの Coolness。ミニマルなようで意外と激しい動きを涼しい顔でこなすエロイーズのパフォーマンスを、何はともあれご覧あれ。ちなみにステージ衣装は、ディオール・オムのアーティスティック・ディレクター、クリス・ヴァン・アッシュが手がけています。

気になる方はこちらでどうぞ。
www.youtube.com/watch?v=rs40yxHjTxQ

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GOYAAKOD=Get Off Your Ass And Knock On Doors.

大阪市内のオフィスで働く勤め人。アメリカの雑誌を読むのが趣味。 門外漢の気楽な立場から、フランスやフランス文化について見知った事、思うことなどをお届けします。