フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

シェイム Shame

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 こんなにセックスシーンが満載なのにいやらしさを感じない、むしろ苦行を見ているような映画は初めてだ。

 

主人公のブランドンはいわゆるできる男。ハンサムで、女にももてる。ところが裏の顔はセックス中毒で、女と見れば妄想にふけり、なんと仕事の合間にもトイレで…というぐらいその度合いは常軌を逸している。

そんな彼のもとに歌手で、こちらは恋愛依存症の妹シシーが転がり込んでくる。誰とでもすぐに寝て、すぐに捨てられる女。手首にいくつも並んだリストカットの痕。こちらの問題も根が深そうだ。

兄妹ともに才能にあふれて幸福になれそうなのに、深い傷を抱えてどちらも依存症だ。シシーの歌う「ニューヨーク・ニューヨーク」を聞いて、ブランドンの目から一筋涙がこぼれる。その印象的なシーンで二人の傷は、どうも子供のころに受けた共通のものらしいと想像はつくが、タイトルのshame (恥)とは何なのか、本当のところは伏せられたままだ。

ブランドンの中毒ぶりは進行し、一度は改心してポルノ画像で溢れたPCも何もかも捨てて好意を抱いた女性といざ事に及ぼうとすると、今度はあんなに中毒でそれなしでいられない行為が、好きな相手とはできないという皮肉ぶり。彼女が帰った後、力任せに売春婦を抱く姿が痛々しい。この辺りは園子音の「恋の罪」を思い出させる。

セックスというのはもちろん肉体的なことなのだけれど、反面きわめて精神的なものなのだ。 全編を通して彼の性行為は痛々しい。何がそんなに辛いのか。そんなに辛いのならやめればいいのにーと思うのだけれどやめられないのだ。 この魅力的かつ哀れな兄妹に救いはあるのかー

草食系の男性陣も見た方が良い一本。

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身体と心に気持ちのいい事が大好きな、自分に甘いO型人間。 映画は堅すぎるドキュメンタリーをのぞいて、こてこて恋愛物からホラーまでとりあえずなんでも食いついてみる系。