フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

エゴン・シーレ 死と乙女

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画家を扱った映画例えばゴッホにせよ、モディリアーニにせよ、貧しくて絵が売れなくてーというなんというか暗いところが嫌だったのだけれど、これはその貧乏くささがない。

美しすぎる画家―として見るだけでも目の保養になる。モデル出身の新人、ノア・サーベトラ演じるエゴンが美貌とその目力で女たちを魅了する。ハンサムで良家の出身、才能にあふれたエゴイスト。モデルが必要とあらばたとえ妹でもなんのためらいもなく素裸で煽情的なポーズをとらせる。二人の近親相姦を思わせる関係もどきどきさせる。

好きになったら苦しむとわかっても、妹も含む女たちは進んで服を脱いで彼の前に立つ。

描かれている間だけは、彼に見つめられているのは自分だけ。その間だけは彼は自分のもの。愛の行為の最中にも突然「動くな」と絵筆をとるような男。幸福と不幸が同居する時間。

ミューズであり、最高の理解者だったモデルのヴァリとの運命的な出会い。黄金色の麦畑に囲まれた田舎家での幸せな時間。

金色の髪に青い瞳、美人ではないがはじけるような魅力に満ち、生命力にあふれたヴァリ。小児愛の疑いをかけられたときにも支えとなり、金策もやってのけるそのミューズを、良家の娘(これがまたつまらない女)と結婚するために冷酷に切り捨てる。その結果自らも周りの女たちも不幸になっていく…ヴァリと自分を描いた絵の名を「死と乙女」と変えたとき画家は自分の運命を知っていたのか。

映画館でぜひエゴン・シーレの黒い瞳に見つめられる感覚を味わっていただきたい一本。



公式サイト:egonschiele-movie.com/

□第一次世界大戦末期のウィーン。天才画家エゴン・シーレはスペイン風邪の大流行によって、妻エディットとともに瀕死の床にいた。そんな彼を献身的に看病するのは、妹のゲルティだ。――時を遡ること、1910年。美術アカデミーを退学したシーレは、画家仲間と“新芸術集団”を結成、16歳の妹ゲルティの裸体画で頭角を現していた。そんなとき、彼は場末の演芸場でヌードモデルのモアと出逢う…

□エゴン・シーレを演じるのは、モデル出身の新人ノア・サーベトラ。美男のプレイボーイとして知られ、生涯のパートナーとも目されたヴァリを棄て、良家の子女を妻に迎える非情でいて野心的なシーレを、眼を奪う白皙の美貌とともに説得力たっぷりに演じた。監督ディーター・ベルナーはかつてミヒャエル・ハネケ監督の『セブンス・コンチネント』で主役を演じたことのある異色のキャリアの持ち主。俳優出身の監督らしく、新人サーベドラの魅力を引き出し、鮮烈なデビューを飾らせた。(公式サイトより)

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