フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

FRENCH BLOOM NET 年末企画(2) 2010年のベスト映画

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■今年もいろんな映画を見ました。こちらはほとんどが映画館で見た新作です。このFBNでも何作か感想を述べたので、それは省くと、『息もできない』を挙げたいと思います。暴力が惰性になるのは、人間としていちばん悲しい光景です。リヴァイヴァル上映の『動くな、死ね、甦れ!』も衝撃的でした。とくにラストシーン、こんな映画は見たことがありませんでした。あとは『SRサイタマノラッパー』も、意外に心に残っています。『アンヴィル!』と見比べると面白いかもしれません。 (bird dog)

1.三池崇史『十三人の刺客』
2.クリストファー・ノーラン『インセプション』
3.クリント・イーストウッド『インビクタス―負けざる者たち』
■今年は話題作が目白押し。イーストウッドの上記新作の他、ティム・バートン監督『アリス・イン・ワンダーランド』、リュック・ベッソン監督『アデル―ファラオと復活の秘薬』などのベテラン勢が健在ぶりを示し、ジブリからは米林宏昌監督が『借り暮らしのアリエッティ』でデビューを果たすなど、明るい話題もあった。その一方、邦画は相変わらずテレビ番組からの派生物が多く、竹内美樹監督『のだめカンタービレ最終章(後篇)』、本広克行監督『踊る大捜査線3-やつらを解放せよ!』、波多野貴文監督『SP野望編』などが次々に公開されたが、これらには新しい観客を獲得しようという意気込みが欠けているように思われた。そんな中、フランス映画ではパスカル・ボニツェール監督『華麗なるアリバイ』が久々に見ごたえのある演出を見せてくれたのが嬉しい。さて、本来なら鬼才C・ノーラン監督の最新作『インセプション』が文句なしでBEST1になるべきところなのだが、最終段階で三池崇史監督『十三人の刺客』をどうしても推したい気分になった。実際、これまで挙げた10本の中で最も強烈な印象を受けたもので、とりわけラスト30分以上に亘って続く戦闘シーンは日本映画史の上でも記念碑的なものとして長く語り継がれることになると思われる。 (不知火検校)

インビクタス / 負けざる者たち [DVD]インセプション [DVD]ニューヨーク, アイラブユー [DVD]

”New York, I Love You”
■パリを舞台にしたオムニバス「パリ、ジュテーム」の続編。ニューヨークの街角で出会う様々な男女、恋人たち、夫婦たちのそれぞれの小さくて静かなドラマはより人間臭く感じました。様々な人種、宗教、文化、言葉が交錯するニューヨークを舞台に、いろいろな国の監督たちが撮ったこともあってか、「パリ、ジュテーム」とはまた一味違う愛の形を見せてくれます。
■個人的なお気に入りはブレット・ラトナー監督のセントラルパーク(モテない君のプロムの夜編)とジョシュア・マーストン監督のブライトン・ビーチ(老夫婦のお散歩編)です。ちなみに岩井俊二監督が撮ったオーランド・ブルームはある意味『テッパン』と言ってもいいでしょう(笑)。女子にとっては王子さま…なんですね。 (mandoline)

ペドロ・コスタ『何も変えてはならない』
ウニー・ルコント『冬の小鳥』
ジョニー・トー『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』
■映画。とりあえず3本。 (MANCHOT AUBERGINE)

『海の沈黙』
■ジャン・ピエール・メルヴィル監督の人と作品に惚れ込んでいるものとして、幻のこの作品をついに劇場で見ることができたのは、何よりの収穫でした。代表的なレジスタンス文学で、戦中密かに読まれた小説の映画化。自らもレジスタンスであったメルヴィルにとって、重い意味を持つ作品です。 海の沈黙 HDニューマスター版 [DVD]
■ドイツ占領後のフランスの片田舎。突然同居人になったドイツ軍将校に、まるで彼が存在しないかのように振る舞い、完璧な沈黙で抵抗する叔父と姪。しかし、知的で好人物の将校は、毎晩炉辺の二人に流暢なフランス語で真摯に語りかけます。私はフランスとその文化を深く愛している、こういう形になったけれどもドイツとフランスが結ばれればきっと豊かな収穫がある。無視を決めこんではいるものの、二人の気持ちは揺らいでゆきます…。
■結局何事も起こらず将校は去ってゆくのですが、この沈黙の下のせめぎあいがとてもスリリングでおもしろい。姪に対し、将校はあきらかに好意を持ち、その優しい一瞥を心待ちにしている。姪の方も、こういう状況でなければ非礼な振る舞いを受けるに値しない紳士を拒絶し続けることが苦しい。しかし、沈黙を捨てることは許されない。表情一つ、仕草一つに、見る方はドキドキさせられっぱなしです。
■出来事らしいことは何もなく、若い二人の間にも何も生じず、地味この上ない映画です。しかし、その削ぎ落とした設定と濃密な時間は、これでもかという派手な展開と作り込んだ画面の最近の映画に曝されている身には、とても新鮮でした。
■姪を演じる女優に、家族ぐるみの友人で映画未経験のニコル・ステファーヌを起用したことも、メルヴィルの偉いところ。将校があこがれるフランスの美を暗に象徴する姪に、わかりやすい美人女優が扮していれば、別の映画になっていたかもしれません。繊細で澄んだ眼差しの彼女が将校に見せる横顔は、映画に静かな興奮と緊張感をもたらしてくれています。 (GOYAAKOD)

0655&2355
■映画作品ではありませんが、今年一番多く観た「映像」ということで選ばせてもらいました。NHKの洒落た時報じみた番組で、朝の6時55分と夜23時55分から5分間放送されています。なんともほのぼのとした映像で、「0655」だと『忘れもの撲滅委員会』『2度寝注意報発令中』などの「おはようソング」や「日めくりアニメ」、読者投稿の犬や猫の写真、「がんばれ weekday」という写真映画(この作品の蒼井優がめちゃくちゃかわいい)、そして「2355」だと番組構成は「0655」とほぼおなじですが、たとえば「おはようソング」が「おやすみソング」にかわり1日の終わりをテーマとしたものになります。ぼくはどちらかというと「2355」をおもに視聴していますが、みなさんもぜひ一度ご覧ください。1日の疲れがどっと抜け、ふにゃっと全身の力が抜けて、すっと眠りに入りこんでしまいます。なお、公式HPはこちらです。http://www.nhk.or.jp/e2355/

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当サイト の管理人。大学でフランス語を教えています。
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