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2011年思い出のテレビアニメ

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あっという間に時が過ぎ、新年を迎えたと思えばもう2月。テレビアニメの鑑賞を、消化試合のようにこなす日々。もはや何を見ているのか、あるいは見ていないのかさえわからなくなる一方です。テレビアニメの本数は2006年がピークで年間279タイトル放映され、その後2010年には195にまで減ってしまったとか(2011年7月6日朝日新聞夕刊より)。それでも、幼児向けは除くにしても、とてもチェックしきれない量です。名作誕生をリアルタイムで目撃したい、という一心で深夜アニメを中心に見ていますが、残念ながら印象に残る作品は非常に少ないです。

そんななか、2011年はこれ、と確実に記憶に残るアニメが2本ありました。

『魔法少女まどか☆マギカ』(2011年1月~4月放送、監督:新房昭之、脚本:虚淵玄) 先の読めない展開と斬新な作風で大反響を呼び、各メディアでも取り上げられたオリジナルテレビアニメ。視聴者の期待を裏切る残酷なエピソード、そして試練を乗り越えようとするけなげなヒロイン達。こうして説明するといかにも陳腐ですが、いわゆる魔法少女物とは一線を画した繊細で壮大な物語は、大人が鑑賞するに十分値する完成度の高さ。見どころは沢山ありますが、ポップで独創的な戦闘場面は必見。エヴァの使徒襲来以来のインパクトを受けました。テレビアニメのさらなる可能性と魅力に改めて気付かされた作品です。

それにしても新房監督の演出は楽しめます。実写版『荒川アンダーザブリッジ』も良いかもしれませんが、新房監督によるアニメ版もおすすめ。最新作の『偽物語』も痺れます。(ただしこちらはかなり好き嫌いが分かれる作品なので、要注意。まずは、『化物語』から。)

『輪るピングドラム』(2011年7月~12月放送) 『少女革命ウテナ』を手掛けた幾原邦彦監督12年ぶりの新作アニメ。 摩訶不思議な設定、奇想天外なキャラクター、ひたすらに散りばめられる謎、意味深なせりふの数々。多用される回想場面、そして画面に詰め込まれた情報量の多さに、一体何をどう理解して観賞すれば良いのか?と戸惑いながらも、楽しくて胸躍らせていたのです……中盤までは。ここまでばら撒いた謎をどのように解決するのか、という不安が的中。正直言って、終盤はあまり興味を持てませんでした。

が、それを差し引いても有り余るこの作品の魅力は、何といっても意表をつく設定、それに洗練された各種表現。 「嫌だわ、早く磨り潰さないと」 「生存戦略、しましょうか」 こうした不思議でキャッチーなせりふ、そして登場人物達の心象風景を見事に視覚化した美術表現も一見の価値あり、です。

ところで、フランス関係で言えば、ヒロインの陽毬が入院する病院に注目。明らかにポンピドゥーセンターです。試しに、ネットで検索すると…ポンピドゥーセンターを訪れたピングドラムファンのブログ発見。

ファンの情熱、ありがたいですね。

終盤は軽い気持ちで鑑賞していたせいか、エンディングはすんなり受け入れられたように思います。ともかくハイセンスで2011年っぽさ溢れる感覚の作品。 「きっと何者にもなれ」なくても、きっと大丈夫。なんでもない日常を、ただただ生きていこう。

寄稿者:cespetitsriens

 

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