フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

世界中で美術館人気 フランスとスペインの場合

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2011年は、世界中の美術館が記録的な入場者を迎えた。フランス全体で2011年は前年比で5%増加した。個別に見てみよう。

フランスで最も人気のある美術館は、もちろんルーブル美術館。年平均850万の人々を迎える。次いでヴェルサイユ宮殿が600万人で、2010年は村上隆が貢献した。そしてポンピドゥーセンターが360万人、オルセー美術館が290万人、ケ・ブランリー美術館が130万人と続く。アンヴァリッドの軍事博物館、パリ市のカルナヴァレ美術館、ノートルダム大聖堂の地下聖堂やカタコンベも人気がある。

中でもポンピドゥーセンターの360万人(前年比15%増)という数字は2000年の改装以降の最高記録である。館長が夏に計画的に特別展を催したことが功を奏したと言われている。そのひとつ、去年の夏に訪れたときに偶然やっていた「Paris-Delhi-Bombay 展」は新興国インドを対象にした全く新しいタイプの大規模展だった。ロレーヌ地方もポンピドゥーセンター・メッス分館 Centre Pompidou-Metz (設計は日本人建築家、坂茂)のおかげで良い結果を出した。この美術館は2010年5月にオープンしたばかりだが、去年の9月にオープンから16ヶ月で100万人に到達した。イル・ド・フランスの外では最高の集客だ。

フランスの美術館人気には次のような要因が挙げられるという。

①まずは、近年、文化的な観光が盛んなこと、家族で訪れる人々が多くなったこと、国の政策で美術館の料金が下がったこと。とりわけ常設展の18歳から25歳の料金が無料になったことが大きい。大掛かりな特別展は別として、美術館の料金は映画館やテーマパークの料金よりもはるかに安い。しかし訪れる家族の50%は、子供は無料で、18歳から25歳は2年前から無料になったことを相変わらず知らない。

②これまで美術館に足を運ばなかった人たち向けた努力もなされている。地域と連携したり、経済的に困難な人たちや障害者への割引制度を設けたりしている。また地方の町は美術館の料金の決定権を持つが、その多くが入場無料を選択し、1200の美術館で無料入場者が42%に上った。

③それと平行して、美術館は新しくアトリエを催したり、戦略的な賭けとしてデジタル機器を開発している。ルーブル美術館のアンリ・ロワレット館長によると、3月から音声ガイドに代わって Nintendo 3DS のコントローラーを導入する予定である。

フランスだけではない。とりわけスペインの美術館の集客力の向上は著しい。経済危機にもかかわらず、マドリッドの3大美術館、プラド美術館、ソフィア王妃美術センター、ティッセン・ボルネミッサ美術館の2011年入場者数が記録を達成。12年もさらなる集客が期待されている。

ティッセン・ボルネミッサ美術館はグレコからピカソまでの多くの絵を所蔵しているが、2011年の入場者数は前年比で30.4%も跳ね上がった。去年の110万人の入場者のうち、半分は外国人だ(主にドイツ、フランス、イギリスから)。1992年の開館以来、なかったことだ。館長は「経済危機の1年を通して入場者が増えたことは、私たちが提供したものの質の良さと、開館時間を長くしたことの反映でしょう。ティッセン・ボルネミッサ美術館はマドリッドの観光アトラクションとして認められたのです」と喜ぶ。

すぐ近くにあるソフィア王妃美術センターはモダンアートの美術館であるが、ピカソの「ゲルニカ」という逸品を擁している。ここは2011年、270万人の訪問者を迎えた。前年比17%増である。館長は「この数字はすべての人々に開かれた美術館の方策に負っています。このモデルがうまく行けば、入場者はさらに増えるでしょう。経済危機はスペインの成長モデルには影響を与えていますが、文化に対する関心には影響していません。」

ゴヤやベラスケスの絵が豊富なプラド美術館は3つの中で最も人気があり、2011年の入場者は290万人、前年よりも6.6%増えた。そのうち59%は外国人で、特にイタリア、アメリカ、フランスからの客が多い。2011年は特別展の「エルミタージュ美術館展」が成功を収め、それは今年の3月まで行われる。ロシアは遠いが、スペインは近いと、イタリア人からも好評だった。7月からはルーブル美術館の協力によって、イタリア・ルネッサンスの画家、ラファエロの晩年の作品を展示する。

アメリカでもメトロポリタン美術館が2011年、560万人の記録を達成。デザイナーのアレクサンダー・マックイーンのワイルドな服とアクセサリーが浮揚させた。一方、近代美術館 Museum of modern art は前年よりも15%減らした。

以下の記事を参照した □Les musées de France font le plein malgré la crise économique Les musées phares de Madrid défient la crise et font le plein de visiteurs

 

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