フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

Why not “Mon Oncle” !

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French Bloom Netも少しお手伝いしているジャック・タチ映画祭 in 神戸(元町映画館)。
何かと謀殺されがちな毎日を言い訳に映画とはすっかり無縁の日々だったのですが、これを機に久々に「ぼくの伯父さん」を見直してみました。

無機質な工事の音と共に現れる冒頭のクレジット。
初めてこの作品を見た時の衝撃もさながら、20年近く経った今でもこれほど印象的な映画クレジットは稀だと再確認。
50年代ならでは、のレトロな色合いとざらっとしたフィルムの空気感の中で、際立つタイポグラフィ。 この構図の完璧感と絶妙なフォント。
大胆なフォント使いのポスターなんかにドキドキする人にとっては、「ぼくの伯父さん」は200%楽しめるものだと断言できます。目を奪われる潔さをもった構図が動画として撮影されていることにきっと驚くはず。

そしてレトロモダンなデザイン好きには垂涎のクラシックカー、
イームズやサーリネンを彷彿とさせる(でもとっても座り心地の悪そうな)数々の椅子、
近代的ミニマル?なインテリアデザイン・・・
構図だけでなくこの映画にはなんだかかっこいいものが満載。 そういったビジュアル重視な見方だけでもかなり楽しめる作品と言えます。

で、そんなスタイリッシュな映画の主人公、ユロおじさんはというと。
いつもどこかぎこちなく、謎の運動神経の持ち主。
完全に間違ったフォームで華麗にこなす初めてのテニス。
目に見えない早さで繰り出される怒りのパンチ、でもクリーンヒットするのは関係ない人。
何をやっているかよくわからない、というかほぼほぼ無職。
機械との相性はすこぶる悪い。

このスタイリッシュどころか完全に困った人、なユロ伯父さん。
不器用で真面目、野心とはまるで無縁な彼は経済至上主義、オートメーション化されていく世界に溶け込む訳がなく、様々な問題を生み出していくのですが・・・
と、つい書きすぎると映画を見る楽しみが半減してしまうので内容についてはこの辺にしとこうと思うのですが、この主人公がこの物語の中で何を成し遂げるのか?そのストーリーはちょっと意表をつくところではあります。

はじめてタチの映画を見る方は、普通の映画とはひと味ふた味違う様々な違和感を覚えると思うのですが・・・
それはもしかするとあなたが期待する「映画」的なものや「コメディー」とは違うのかもしれない。 でもぜひぜひ目をこらして、耳をすませて鑑賞することをおすすめします。
仕掛けられた細かな要素や暗喩、対比のギミックに気がつくのもひとつの楽しみ。
大げさにすること、より刺激を与えることで盛り上げる演出や笑いとは全く逆をいく、ミニマルでちょっとひねくれたタチの演出や笑いは小難しい、と慊焉されることもあるのかもしれませんが・・・
タチの魅力に気づくとき、ささやかな生活の中に息づくちょっとした可笑しさや、人の愛くるしさがもしかしたら今までと違った鮮やかさを持って見えてくるかも・・・しれませんよ。

元町映画館でのジャック・タチ映画祭は7月18日まで。
www.motoei.com/schedule.htm

トークイベント「ジャック・タチ研究室」、French Bloom Netも参加しています。 
ぜひお気軽に遊びにきてくださいね!

日 時:7/12(土) 18:00~
会 場:元町映画館2F
参加費:無料!
ゲスト:安井麻人さん(音楽家・mini studio creative代表)→★www.ministudio.info/
    武内馨 & Tatamize(FRENCH BLOOM NET)

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インターネットの恩恵にあずかりつつも、情報と技術の膨大な流れの渦にぐるぐる流されて右往左往しているお酒、音楽、フランス、古民家と町家が好きなフリーランス、神戸在住のWEB屋 Tatamize-web。FRENCH BLOOM NETのサイト制作担当。

フランスとベルギーを放浪しているうちに日本と日本人が大好きになりました。
自らをタタミゼ(日本文化、日本を好むフランス人を指す。正確にはTatamiseが正しい)と名乗る屈折した純日本人。
妄想と勘と面白人脈を駆使して生活に役立てているような、いないような・・・
とりあげるテーマは「インターネット」「音楽」「映画」「デザイン」関連なんかをまとまりなく。 一児の母となったので、子育て、教育関係も気になるところ。
最近はPRESTASHOPのカスタマイズに奮闘中。