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フランス:新学期の憂鬱

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9月2日の日曜日の夜のニュース(France2)は、次の日から始まる新学期に対する生徒たちやその家族の憂鬱や、過ぎ去ってしまったバカンスを惜しむ声を取り上げていました。

9月3日の月曜日、およそ1200万人の生徒と88万人の先生が学校で再会することになります。もちろん世界の終わりというわけではありませんが、楽しかったバカンスから一転、仕事に戻るのは誰しも辛いもの。折しも季節は秋、皆が通る道とはいえ、生活リズムの変化や楽しい時間が終わってしまう憂鬱、ストレス、苦悩が彼らを襲います。さらに学校の勉強の復習など準備に追われます。日本と違って宿題は無いようですが、何が辛いって、朝時間を気にせず好きなだけベッドでゴロゴロするグラス・マチネ grasse matinée ができなくなること!

また新学期から大学生になる子供のいる家庭では、新しい旅立ちへの期待と寂しさが交錯します。バカロレア取得後フランス人の生徒の53%は親の家を出るのですが、子供の方は寂しさとともに親の干渉がなくなることに胸膨らませてもいるようです。一方文学の特別進学クラス prépa littéraire に娘を送り出すお母さんは「私の赤ちゃん mon bébé がいなくなってしまう」と寂しそう。子離れできないのは、何処も同じかもしれませんね。また35年の経験を持つ先生でさえも、新学期にはいつも生徒のように胃がぎゅーっと avoir le ventre serré くるそうです。生徒も親も先生も今夜はなかなか寝付けなさそうですが、この憂鬱はすぐ消えるはずとのこと。なぜなら7週間もしたら、万聖節のバカンス Vacances de la Toussaint が始まるから、ですって。

また今年の新学期は、新しい規則がいろいろとできました。2018年8月3日制定の法律で、中学校までの生徒は、学校でインターネットに接続するスマートフォンなどの携帯機器の使用を厳しく禁じられることに。一方高校では、もう少し緩いようで、禁止するかどうかはそれぞれの高校の校則で決まるようです。ちなみに12~17歳のフランス人のうち90%近くがスマートフォンを持っているとのこと。

他にも、今学期からより多くの評価テストが実施されます。以前は日本の小学校1年生にあたるCPと6年生にあたる6eだけで実施されていましたが、日本の小学校2年にあたるCE1と高校1年生にあたる seconde でも実施されます。またCPとCE1で少人数クラス制が実施され学級数が増えますが、19万人の生徒が該当します。

さらに日本の小学3年生に当たるCE2では、フランス共和国国歌ラ・マルセイエーズの少なくとも1番の歌詞は歌えるようにならなくてはいけなくなるそうです。

フランスはただでさえバカンスが多いので、授業日が少ないということで導入された週5日制についてですが、これはもう実質過去のものになっているとのことです。実際は再び週4日制に戻っているとのことで、フランスの自治体の85%が週4日制を選んでおり、これは生徒の80%が該当するとのことです。

 

Top photo by Par Bertram — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, 






posted date: 2018/Sep/08 / category: ライフスタイル
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