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Category / 本・文学

辻仁成 『永遠者』

著者とツィッターでやりとりする中で書く書評はスリリングな体験である。バンドをやりながら小説を書いて20代を過ごした人間にとって、その両方を実現してしまった辻さんは、ある種の嫉妬の対象であった。それゆえ、辻さんの小説や音楽と素直に向き合う機会...
2013/Jan/13 / category: 本・文学

日本は意思決定システムを構築するのが苦手?――『昭和16年夏の敗戦』猪瀬直樹著

ちょっと古い本になります。先日東京都知事に選ばれた猪瀬直樹さんの著作です。詳しい事情はよくわからないんですが、昨年夏ごろに猪瀬さん自身がツウィートして注目をふたたび集めたらしく(たしか何年か前にも石破茂現自民党幹事長を通じて話題になったはず...
2013/Jan/09 / category: 本・文学政治・経済

今月のあるうち読んどきヤ! 『たった独りの引き揚げ隊—10歳の少年、満州1000キロを往く』 石村 博子

文庫の魅力は、単行本として出版された時に日の目をみなかった良書が今一度店頭に並び新しい読者と出会える場を作ってくれる仕組みであること。今回は、そんな仕組みのおかげで再び書店に並んだとびきりのノンフィクションを紹介します。 (さらに&hel...
2013/Jan/06 / category: 本・文学

FRENCH BLOOM NET 年末企画(3) 2012年のベスト本

年末企画の第3弾は2012年のベスト本です。ベストCDに引き続き、文芸評論家の陣野俊史さん(著作に『戦争へ、文学へ 「その後」の戦争小説論』『世界史の中のフクシマ—ナガサキから世界へ』など)に参加していただいています。加えて今年...
2012/Dec/24 / category: 本・文学

今月のあるうち読んどきヤ!:『女ひとりの巴里ぐらし』

キャバレーが気になって仕方がない。日本の、ではなくパリのである。フィルム・ノワールにもちらちら出てくるキャバレーは、フランスでしかお目にかかれないものだと思う。洗練された踊りと音楽、芸事、そして美しい女たちのヌードが無理なく一体となったショ...
2012/Nov/30 / category: 本・文学

『宮台教授の就活原論』

小4の息子の周囲ではすでに「お受験」に向けて塾通いを始める友だちがぽつぽつ出始めている。友だちのT君は電車で20分かかる遠くの塾まで通い、帰宅は午後10時を過ぎるのだという。中学受験は「いい学校、いい企業、いい人生」の重要な関門である。しか...
2012/Nov/26 / category: 本・文学政治・経済

『ぐりとぐら』とフランス語

子供に絵本を読み聞かせるときには、やはり自分が好きだった本を読んでやりたいと思う。そんなとき、もはや古典中の古典とも言えるのが、『ぐりとぐら』だ。1963年の初版以来、10カ国語に翻訳され、世界中で読み継がれている。知っている人も多いと思う...
2012/Nov/14 / category: 本・文学

大人な感性で読みたい児童書:『ヤーク』

子どもと一緒に大笑い!幸せを絵に描いたようなこの風景、実はこと話が読書となると、実現するのは結構難しい。「変な顔」に代表されるヴィジュアルレベルの瞬間的な笑いの反応を除けば、親子が共有する笑いの間には、通常タイムロスが生じる。子ども心をくす...
2012/Nov/04 / category: 本・文学

今月の「あるうち読んどきヤ!」 :石牟礼道子 『食べごしらえ おままごと』 

最近読んだ群ようこのエッセイによると、東京都心のマンションでは住民の出す生ゴミの量が激減しているそうだ。上手に処理しているから?いえいえ、家で料理をすることを放棄し、食事はデパ地下で買うからなのだ。仕事で忙しいカップルだけではなく、定年退職...
2012/Oct/29 / category: 本・文学

大野更紗著 『困ってるひと』:「これが、苦しむ、ってことか」

大野更紗氏、上智大学の学部生の時代からビルマの難民の方々のお世話に奮闘し、晴れて(?)院生となりタイでのフィールドワークに打ち込もうとした矢先、病名も治療方法もわからぬ難病に倒れ、思いもかけず自分がお世話される側に。今まで何気なく出来ていた...
2012/Oct/14 / category: 本・文学政治・経済

北原みのり 『毒婦。木嶋佳苗100日裁判傍聴記』

2009年秋「婚活サギ女」「練炭女」「平成の毒婦」などの言葉と共に、センセーショナルに報道された殺人事件。この事件は「男を食い物にした女の事件」として「常識」ある人々を震撼させたが、この事件に当初から違和感を感じた人は多かったのではないだろ...
2012/Sep/27 / category: 本・文学政治・経済

『クーリエ・ジャポン』8月号&9月号をまとめてナナメ読み!

東大で最も読まれているという触れ込みの『クーリエ・ジャポン』。確かに面白く、ためになる記事が多い。私は大学の図書館に入っているのを読むことにしているので、借りて熟読できるのはバックナンバーになってから。しかし2、3カ月の遅れなど問題ない。も...
2012/Sep/25 / category: 本・文学

今月の「あるうち読んどきヤ!」: 『おじいちゃんのひみつ』

ブックストアに行くと、まず立ち寄るのが新刊の売り場。世に出たばかりの色とりどりの本達が、Try me!と誘ってきます。しかしスポットが当たっているのも数週間がいいところ。いつの間にか別の棚に移されたり、二度と日の目を見ない運命のものも・・・...
2012/Sep/23 / category: 本・文学

書評 『さよなら、もんじゅ君』

いまや9万人がフォローする、ツイッターから生まれたアイドルもんじゅ君。長らく反原発運動というものは、それに関わると何か危険であるかのようなイメージがまとわりついてきたが、私たちが次第にこの問題に関心を持たないようになり、最終的に原発そのもの...
2012/Jun/08 / category: 本・文学

佐々木俊尚著 『キュレーションの時代』

佐々木俊尚は、twitter である人をフォローするということは、その人の視座にチェックインすることだと言う。その人のツィートが自分のタイムラインに流れこんできて、その人の目で、その人の視座で世界を見る。視座にチェックインすることは情報その...
2012/Apr/21 / category: 本・文学IT・情報技術

R・フロリダ著『グレート・リセット』 (1) 持ち家と金融の時代の終焉

1920年代の大恐慌や、それに先立つ1870年代の長期不況(マルクスの『資本論』がこの時期に書かれた)から回復するのに30年はかかった。そのような歴史的な端境期を著者は「グレート・リセット」と呼ぶ。そして現在もリーマンショックが引き金になっ...
2012/Apr/08 / category: 本・文学政治・経済

橋爪大三郎×大澤真幸 『ふしぎなキリスト教』(3) 宗教と科学の両立

キリスト教の最大のふしぎのひとつは、現代のキリスト教徒たちが、どのようにキリストの起こした奇蹟と、科学のあいだで折り合いをつけているか、ということだ。ふしぎというよりはとりわけ現代人の誰もが抱く疑問だろう。神による天地創造と、進化論の矛盾が...
2012/Jan/28 / category: 本・文学

橋爪大三郎×大澤真幸 『ふしぎなキリスト教』(2) キリスト教と言葉

戦後日本に接続された、日本国憲法、民主主義、市場経済、科学技術、文化芸術。これらすべてはキリスト教世界に由来している。ゆえに「キリスト教がわからないと今の日本もわからない」というのが、2人の社会学者の対談の出発点である。さらに言えば、宗教が...
2012/Jan/11 / category: 本・文学
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