フランスからグローバリゼーションとオルタナティブを考える新しいフランス学

“April in Paris” Count Basie and His Orhestra (1956)

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いよいよ4月。この月にふさわしい一曲を、と選んだのがジャズの大定番。数多くのバージョンがありますが、ビッグバンド・ジャズの大御所、カウント・ベイシーのものが一番だと勝手に思っています。

きれいだけれど憂いを含んだメロディーのおかげで、「パリの4月の宵(とか夜)」的な湿度のある音に仕上がることが多いのですが、ベイシー版は徹底してすがすがしく、明るい。聞くたびに、彼の地の春の午後の街角を連想します。

ビッグバンド・ジャズらしく遊び心に富んだアレンジもお楽しみのひとつ。

欧米人なら誰でも知っている童謡のフレーズをソロのプレイに織り込んだり、バンドリーダーのかけ声に応じてエンドフレーズを繰り返し終わりそで終わらせなかったり。聞く人に「のせられてゆく楽しさ」をたっぷり味あわせ、そつなく気分を上げてくれます。大所帯のバンドとともに音楽の力で何十年もの間観客を笑顔にさせてきた、大ベテランならではです。

しかし極私的に一番の聞きどころは、短いトロンボーンのソロ。のんびりした音色の楽器が奏でるメロディーは、まさに春霞そのもの。またこの季節がやってきたんだ・・と思わずにはいられません。以前ご紹介した、木村伊兵衛がカラーで捉えた懐かしのパリの街の風景が醸し出していた多幸感と重なるものがあると思っています。アメリカ産ジャズの代名詞的バンドが、ヨーロッパの街に漂う春のうららかな気分を描いてみせるなんて、なんとも不思議ですが。

まあ、何はともあれ、ぜひ聞いて頂きたい。イヤホンを通じ個人と奏者、1対1の閉じた関係で音楽とつきあう人を見かける事が多い昨今、みんなで一緒に聞くとなお楽しい音楽の醍醐味も知って頂ければともおせっかいながら思います。

さあ、こちらでどうぞ。
www.youtube.com/watch?v=wCmcoZktZG4

そもそもこの曲はミュージカル・ナンバーとして作られたもの。ちゃんと歌詞があります。異国で覚えた胸のときめき、恋の予感を歌っていて、始まりの季節にふさわしい曲でもあるのです。こちらも数多の歌手が吹き込んでますが、優しい彼氏のように寄り添うアンドレ・プレヴィンのインティメイトな歌伴にのせて歌詞に素直に、上品に歌ったダイナ・ショアのバージョンをどうそ。
www.youtube.com/watch?v=5h1XtedK9-o

エイプリル・イン・パリ
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GOYAAKOD=Get Off Your Ass And Knock On Doors.

大阪市内のオフィスで働く勤め人。アメリカの雑誌を読むのが趣味。 門外漢の気楽な立場から、フランスやフランス文化について見知った事、思うことなどをお届けします。